研究課題/領域番号 |
15591381
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
加藤 厚 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (70344984)
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研究分担者 |
吉留 博之 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (10312935)
宮崎 勝 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70166156)
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キーワード | 阻血 / 再灌流 / 肝再生 / 転写因子 / 障害肝 / サイトカイン / ケモカイン |
研究概要 |
1.肝阻血再灌流障害後の肝再生について マウスの部分肝阻血モデルを用いた再灌流障害後の肝再生の実験では、real-time PCRを用いたmRNA定量により肝再生抑制因子として知られるactivinが再灌流直後より有意に上昇していることが判明した。また、血清レベルでもactivinの上昇を有意に認め、肝再生の抑制作用に関与していることが示唆された。今後activinの生体内inhibitorであるfollistatineの投与により、肝再生促進効果が得られるか引き続き検討中である。 2.障害肝における肝阻血再灌流障害の検討 胆管結紮切離により作成した閉塞性黄疸肝モデルにおいて肝阻血再灌流障害は組織学的好中球集積や血清ALTから見た肝細胞障害が増強することが判明した。さらに閉塞性黄疸肝モデルでは、NFkBを中心とした転写因子の活性化により、有意に炎症性サイトカインの発現増強を認めた。今後、さらなるメカニズム解明のためchemokineの発現や抗炎症性サイトカインの発現、さらにはアポトーシスの関与を検討中である。また、臨床に即した実験として、減黄モデルにおける肝阻血再灌流障害の軽減効果について検討する予定である。 3.肝阻血再灌流障害の臨床的検討 肝切除術における血行遮断法(Pringle法)の影響を検討するため、切除肝組織における転写因子レベルをEMSAで検討し、手術後の炎症性サイトカインレベルをELISAで測定し、多変量解析を用いた因子分析を施行している状況である。
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