研究概要 |
ラット70%肝切除後のendotoxin誘発性肝不全モデルを用い,Sham operation群(以下sham群),肝切除群(以下Htx群)に対しそれぞれLPS投与前後について比較した.Peripheral lymphocyteとして末梢血(以下PBL),脾臓(以下SPL),肝臓(以下HPL)よりpercoll gradient法でリンパ球を採取した. 分離リンパ球数には各群で差はなかった.CD4,CD8αβ,CD8αα,alpha-beta TCR, gamma-delta TCRの発現について各群で差はなかった.MHC class II(rat I-A antigen)の発現はsham群と比較してHtx群で亢進していた.LPS投与3時間後にはHtx群のSPL,HPLにおいてMHC class II発現は有意に上昇した.またNK細胞の表面抗原であるCD161発現について検討すると,sham群,Htx群において有意な差はなかった.Htx群ではLPS投与3時間後にHPLのCD161^<high>細胞のpopulationは有意に増加し,またMFIも上昇した. 肝切除後におけるendotoxin過敏反応において,脾臓,肝臓に存在するNK細胞およびB細胞の動態変化が認められた.今後各populationをcell sorterを用いて分離,培養を行うことによりendotoxin刺激に対するcytokine profileを検討する予定である.
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