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2003 年度 実績報告書

血管内皮伸展刺激に着目した肝再生メカニズムに関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15591398
研究機関名古屋大学

研究代表者

梛野 正人  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20237564)

研究分担者 新井 利幸  名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (80335041)
小田 高司  名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (30311715)
二村 雄次  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80126888)
西尾 秀樹  名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (30345897)
キーワード門脈枝塞栓術 / 肝再生 / 血管内皮 / 伸展刺激 / IL-6 / NF-κB / IKKα
研究概要

われわれはこれまでに門脈枝塞栓術後に非塞栓葉の門脈枝径が約1.5倍に拡張し、それに伴い血管内皮細胞が持続伸展刺激を受けることに注目し、肝類洞内皮細胞にin vitroで持続牽引刺激を加えることによりIL-6が分泌され、これが肝再生のtriggerになっている可能性について報告してきた。今回は持続伸展刺激に対する血管内皮細胞からのIL-6分泌のシグナル機構を知る目的で転写因子であるNF-κBに注目した研究を行った。【材料および方法】ファイブロネクチンをコートしたシリコンゴム製のチャンバーにヒト臍帯内皮細胞(HUVECs)を培養し、チャンバーを牽引することにより細胞に持続牽引刺激を加えた。培養液中のIL-6濃度、IL-6 mRNAの発現、NF-κBの活性化などについて検討した。【結果】(1)持続牽引刺激の強度とIL-6産生の時間経過:細胞に1.25倍、1.5倍の一方向持続牽引刺激を加え、上清中のIL-6濃度変化の時間経過を調べた。牽引後最初の6時間でIL-6の分泌が亢進し、濃度上昇の速度は徐々に対照群と近づいた。また牽引度を強くすると上清中IL-6濃度が上昇した。(2)持続牽引刺激に対するIL-6 mRNA発現の時間経過:IL-6 mRNAの発現は持続牽引刺激後2時間でpeakとなり徐々に減衰した。(3)IL-6 mRNAの発現に対する牽引時間の効果:様々な牽引時間に対するIL-6 mRNAの発現を調べた。IL-6 mRNAの発現は牽引時間5分、30分では上昇しなかったが、60分から上昇し90分でpeakとなり120分で減衰した。(4)持続牽引刺激に対するNF-κBの活性化:抗NF-κB P65/RelA抗体を用い免疫染色をおこなうと、牽引後1時間でNF-κBの核への集積を認めた。次にNF-κBの活性化を見るためにIκBのリン酸化酵素であるIKKαの活性化をkinase assayで調べると、牽引後5分後から徐々に活性化し、15分でpeakとなり徐々に減衰した。以上の結果より、血管内皮細胞の持続牽引刺激に対するIL-6の産生にはNF-κBを介するシグナル経路が重要であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kobayashi S, Nagino M et al.: "Stretch-induced IL-6 secretion from endothelial cells requires NF-κB activation"Biochemical and Biophysical Research Communications. 308. 306-312 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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