研究概要 |
A.ヒト膵癌細胞に対する光感受性物質の効果 ヒト膵癌細胞様Panc-1,B×PC,Capan-1を用い、Porfimer Sodiumの培養液中濃度を5,10,50,100,200μg/mlでインキュベートし、24時間,48時間での死細胞率を比較し殺細胞効果を検討した。 いづれの細胞株も濃度依存性に殺細胞効果は増強した。殺細胞効果はB×PC>Capan-1>Panc-1の順に高かったが、時間差は確認できなかった。 Panc-1では5μg/mlから100μg/mlの間は殺細胞効果は殆ど認められず、200μg/mlで約30%の殺細胞効果を求めた。 Capan-1は5μg/mlから50μg/mlの間は殺細胞効果は殆ど認められず、100μg/mlで約60%、200μg/mlで約90%の殺細胞効果を求めた。 B×PCでは、5μg/mlから10μg/mlの間は殺細胞効果は殆ど認められず、50μg/mlで約50%、100μg/mlで約90%、200μg/mlで約95%の殺細胞効果を求めた。 B.ヒト膵癌細胞に対する光感受性物質投与下での超音波照射効果の検討 ヒト膵癌細胞様Panc-1,B×PCにおいて、Porfimer Sodium 10μg/ml添加群と非添加群とで1-MHz,0.5W/cm^2の超音波照射を5,10,30,180秒間施行したところ、両者では差が見られなかった。 今後、適正な照射時間及び超音波出力を見つけることが必要と思われる。 180秒の超音波照射では超音波自身によるcavitation effectが強すぎ、また30秒では光感受性物質の増強効果が見られない。 この30秒から180秒の間に超音波による増強効果が存在すると想定されるので、これを求めていく。
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