研究課題/領域番号 |
15591412
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 文明 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (30332836)
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研究分担者 |
三森 功士 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (50322748)
宇都宮 徹 九州大学, 医学部附属病院, 講師 (30304801)
森 正樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (70190999)
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キーワード | 抗癌剤 / 樹状細胞 / 凍結療法 / CD8陽性細胞 |
研究概要 |
1.マウスを用いた基礎実験 マウスに大腸癌を投与し担癌状態とした後に、樹状細胞を作製するために骨髄を採取した。 A:抗癌剤との併用療法を行う場合: 担癌マウスに各濃度抗癌剤を投与し、抗癌剤による副作用(主に血球減少、体重減少、肝機能障害)が見られない至適濃度を検索した。至適濃度抗癌剤投与後、樹状細胞を腫瘍内に局注することによる抗腫瘍効果を解析した(腫瘍体積経過観察)。 同一個体に複数箇所に腫瘍を移植し、多発転移モデルを作製し、そのうち一カ所のみで樹状細胞を投与した後の遠隔腫瘍部位の変化を解析した。 エフェクター細胞を経時的に採取し、投与した癌細胞に対する殺細胞変化を評価した。その結果、CD8陽性T細胞がHLA class I拘束性に抗腫瘍効果を発揮することが明らかになった。CD4陽性T細胞の関与も考慮されたが、統計学的有意な差を認めるには至らなかった。現在、そのエフェクター細胞の機能解析をマイクロアレイを用いて実施している。 B:凍結療法と併用する場合: 担癌マウスの腫瘍内に凍結用プローブを挿入し、凍結療法を実施する。処置された腫瘍を摘出し、凍結療法による細胞変化(ネクローシス、またはアポトーシス)の程度を評価し至適条件を決定しつつある。 同一個体に複数箇所に腫瘍を移植し、多発転移モデルを作製し、そのうち一カ所のみで樹状細胞を投与した後の遠隔腫瘍部位の変化を現在解析している。 2.患者由来の癌細胞及び末梢血から作製した樹状細胞を用いたin vitroでの解析 癌患者から摘出した癌細胞を抗癌剤で処理し、また患者から採取した末梢血から樹状細胞を作製し、混合培養にてキラーT細胞を誘導し、患者自己癌細胞に対する殺細胞効果を解析する 免疫反応を解析するのに有用なマーカーの検索を行う。 3.患者への応用への準備 学内倫理委員会に本議題を提出し、患者への臨床治験への倫理性を審議中である。
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