研究課題/領域番号 |
15591418
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
石神 純也 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90325803)
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研究分担者 |
愛甲 孝 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60117471)
夏越 祥次 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70237577)
中馬 豊 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90359977)
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キーワード | 消火器癌 / 微小転移 / リンパ節 / マイクロダイセクション / キャラクター / CGH |
研究概要 |
本年度の計画 1)微小転移病巣のマイクロダイセクション:微小転移部位のマイクロダイセクションに先立ち、癌原発巣でのマイクロダイセクションを試みているものの、安定した結果を得ることができず、手技の確立に難渋している。現在、国内の研究機関に派遣して、手技の習得に当たっている。 2)各種消化器癌のリンパ節微小転移の実際の解析:リンパ節微小転移の実態をサイトケラチンをもちいた免疫組織学的評価で検討した。リンパ節転移陰性症例では微小転移陽性例の術後生存が有意に不良であり、通常の病理学的評価で診断できない微小転移の同定は臨床上意義があると考えられる。これらの成績をまとめて報告した(Am Surg 2003). 3)消化器癌におけるリンパ節微小転移のキャラクター解析:マイクロダイセクション法の手技が確立しておらず、リンパ節微小転移のキャラクター解析はまだ行えていないが、胃癌症例で血中の微小な遊離癌細胞をREAL TIME PCR法で検索した。微小転移陽性症例のキャラクターを検討する目的で原発巣のsL x抗原の発現を検討したところ、転移陽性症例でもsL x抗原陰性のものは再発率は低率であった。(Cancer Lett 2003). 4)リンパ節リンパ球の抗腫瘍免疫環境の検討:Th1/Th2バランス(細胞内サイトカインの発現)をフローサイトメーターで測定し、リンパ節内の微小転移成立と抗腫瘍免疫環境を検討している。実際の解析をはじめに乳癌のリンパ節について行い、合計4例について測定し、微小転移との関連性を今年のリンパ学会で報告予定である。また、免疫環境のマーカーとしてT細胞上のCD3ζ鎖の発現を、胃癌の所属リンパ節で評価し、遠位リンパ節で低下していることを明らかにした(Anticancer Res in press).このようにそれぞれの計画に従い、データーの集積とマイクロダイセクションの手技の安定化をはかっているが、実行年数が2年と短く、CGH解析を含めて計画を完全に遂行するのにはかなりの困難が予想される。研究期間内の完遂に向けて鋭意努力中である。
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