研究課題/領域番号 |
15591421
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
八木橋 厚仁 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40260757)
|
研究分担者 |
辻 直樹 札幌医科大学, 医学部, 助手 (00347171)
渡辺 直樹 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10158644)
|
キーワード | survivin / 虚血再灌流傷害 / アポトーシス / preconditioning / 肝類洞壁細胞 / 抗アポトーシス分子 |
研究概要 |
最近、虚血再灌流傷害時に、血管内皮細胞や臓器実質細胞で活性酸素の産生やcaspase活性が亢進し、アポトーシスが誘導されることが明らかになった。そこで、短時間虚血によるpreconditioning効果に、caspase活性を直接阻害する抗アポトーシス分子が重要な役割を果たしているか否かを検討した。 まず、WKAラット肝組織を短時間虚血(30min)によりpreconditioningし、再灌流後の抗アポトーシス分子survivin、bcl-2およびhsp70の発現を、経時的に無処置群のそれと比較検討した。 その結果、hsp70 mRNAは、preconditioning群の再灌流6時間から12時間目にのみ発現していた。一方、bcl-2 mRNAの発現は、preconditioningの有無にかかわらず虚血前から再灌流12時間目までみられた。また、同組織を免疫染色したところ、hsp70は肝細胞(HP)に、bcl-2はHPおよび肝類洞壁細胞(SEC)に、それぞれ認められた。 Survivin mRNAは、preconditioning群の再灌流6時間目にのみ発現し、免疫染色上SECに局在していた。 以上の結果から、hsp70のみならずsurvivinの誘導が、短時間虚血による再灌流傷害抵抗性の獲得に関与していることが示唆された。
|