(1)RI標識抗体の作製 131-Iをキメラ化モノクローナル抗体chA7にクロラミンT法で標識し、Sephadex G-25カラムにてゲルろ過して精製し、131-I標識chA7を安定的に得ることが出来た。 (2)131-I標識chA7のin vitro抗腫瘍効果の検討 a)131-I標識chA7単独投与の場合のヒト胃癌細胞株に対するin vitro抗腫瘍効果は、131-I標識chA7を中心として円形にヒト胃癌培養細胞株MKN45、KATOIIIがアポトーシスを起こしたことより、放射状に現れると思われる。 b)chA7単独投与ではヒト胃癌培養細胞株に対する抗腫瘍効果はほとんど認められなかったが、抗腫瘍性抗生物質ネオカルチノスタチン(NCS)を結合させたキメラ化抗体chA7-NCSの場合は単独投与でもヒト胃癌培養細胞株に対する抗腫瘍効果は十分に認められた。 c)131-I標識chA7とchA7-NCSの両方を併用した場合のヒト胃癌培養細胞株に対するin vitro抗腫瘍効果は、131-I標識chA7単独投与によるin vitro抗腫瘍効果およびchA7-NCS単独投与によるin vitro抗腫瘍効果のいずれと比較してもより強い抗腫瘍効果を示した。 d)非特異的モノクローナル抗体であるマウスIgGの131-I標識化合物131-I標識IgGによるin vitro抗腫瘍効果は131-I標識chA7の効果と比較した場合、ほとんど抗腫瘍効果が認められなかった。 (3)肝転移モデルの作製 ヒト胃癌培養細胞株MKN1、MKN45、KATOIIIなどを脾臓被膜下に注入して肝転移モデルを鋭意作製中である。
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