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2004 年度 実績報告書

Gd^<3+>標識キメラ化モノクローナル抗体をMRI造影剤とする新しい膵癌診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15591428
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

大辻 英吾  京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (20244600)

研究分担者 岡本 和真  京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (20285258)
キーワードガドリニウム / モノクローナル抗体 / MRI / 造影剤
研究概要

近年、MRIの造影剤として微粒子磁性鉄やガドリニウムが開発され、網内系組織に取り込まれる性質を応用して肝臓の腫瘍の鑑別診断に用いられている。しかし、従来の造影剤は膵組織に受動的に取り込れないため、膵癌診断のための造影剤としては応用できない。もし、膵癌に特異的に集積する微粒子磁性鉄が開発されれば、MRIの磁場の中で高い磁化率を示すためT2強調画像で著しい低信号を発すると考えられる。本研究では、A7をガドリニウムで標識し、Gd^<3+>標識A7が膵癌診断のためのMRIの新しい造影剤として有用であるかどうかを検討した。
モノクローナル抗体A7とキレート剤Isothiocyanobenzyl EDTA(同仁化学)を混和し、A7-EDTAを作製した。さらに塩化ガドリニウム(和光純薬)を反応させ、A7-ガドリニウムを作製した。A7-Gdをヒト血清中にて0、24、72、96、144時間それぞれincubateした後、それぞれの検体をPD-10カラム(アマシャムバイオメディカル)にてゲル濾過し、各検体毎の抗体量とGd量を測定した。尚、抗体量の測定は分光吸光度計で、Gd量の測定はICP (inductively coupled plasma atomic emission spectroscopy)で行い、血清中での安定性を検討した。A7-Gd3+を^<125>I標識して膵癌移植ヌードマウスに投与後に生体内の分布について検討した。その結果、各時間毎の抗体の分布とGdの分布曲線は一致した。測定開始後144時間目まで非結合ガドリニウムは検出されなかった。このことからGd標識モノクローナル抗体A7の血清中での安定性は保たれていると考えられた。また、A7-Gd3+の抗体活性はA7単独とほぼ同等であった。生体内でもA7-Gd3+は腫瘍に多く集積した。以上より、Gd標識モノクローナル抗体A7は血清中で安定であり、MRI造影剤として有用性の検討をすすめる価値があると考えられた。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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