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2003 年度 実績報告書

分子機構に基づく胆道閉鎖症における胆管再生と肝線維化抑制に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15591429
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

常盤 和明  京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (30163968)

研究分担者 岩井 直躬  京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (90128695)
キーワード胆道閉鎖症 / 肝線維化 / 細胞外マトリックス / 星細胞 / 胆管再生
研究概要

胆道閉鎖症術後の肝の線維化に関わる細胞外マトリックス産生細胞であるhepatic stellate cell(HSC)の活性化を検討するために、はじめに本症臨床例と対照例における肝組織の病理学的検討を行った。すなわち、日道閉鎖症の臨床例17例(平均日齢70.6日)と対照として胆道閉鎖症以外で肝生検を受けた4乳児例(平均日齢79.8日)の手術時に得られた肝組織を用いて、通常のH&E染色とベルリン青による鉄染色、さらに、αmooth muscle actin(SMA)、デスミン、グリア線維性酸性蛋白、シナプトフィジン、CD3、CD68、I型コラーゲン、IV型コラーゲンに対する抗体を用いた免疫組織化学染色を行った。
肝組織の線維化は0〜4で評価し、αSMAが高度に発現している細胞を活性化したHSCと判定してその程度をスコア化した。また、HSCの機能を評価するためにデスミン、グリア線維性酸性蛋白、シナプトフィジン、CD3、I型コラーゲン、IV型コラーゲンの発現を同様にスコア化して判定した。
その結果、葛西手術の時期には半数以上の胆道閉鎖症の症例でgrade2〜3の肝線維化が出現しており、その中に高度の活性化HSCの発現が見られた。また、CD68陽性のKupffer細胞の増加も認められた。一方、術後に再度肝生検を行った症例の中で、葛西手術後の経過良好例では肝線維化の明らかな改善が認められ、活性化HSCの発現の低下が認められた。
すなわち、胆道閉鎖症では生後2〜3ヵ月時の葛西手術の時期に高度な肝の線維化と線維化に関わる因子の発現が見られるが、一方で葛西手術後に肝線維化が進行しない症例も存在し、HSC活性化の分子機構を制御することにより肝線維化を抑制できる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Tokiwa K: "Results of retroperitoneal lymphadenectomy in the treatment of abdominal neuroblastoma"Arch Surg. 138. 711-715 (2003)

  • [文献書誌] Fumino S: "Cyclooxygenase-2 expression in the gallbladder of patients with anomalous arrangement of the pancreaticobiliary duct"J Pediatr Surg. 38(4). 585-589 (2003)

  • [文献書誌] Imazu M: "Histological investigations into the difference between cystic and fusiform types of congenital biliary dilatation"Eur J Pediatr Surg. 13. 16-20 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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