まずマウスの骨髄移植の系を確立した。骨髄移植前処置としては、抗腫瘍剤としてCyclophosphamideを用いた。実験動物は、レシピエントとしてBALB/c(H-2^d)、ドナーとしてC57BL/6(H-2^b)を用いたMHC-mismatch combinationとした。骨髄移植前処置としては、レシピエントに対し抗腫瘍剤としてCyclophosphamideを投与したのち、ドナーから分離した骨髄細胞を移入した。今回、骨髄移植後のgraft-versus-tumor effectを評価するため、レシピエントであるBALB/cマウス由来のtumor cell lineであるcolon 26を用い、担癌マウスを作成した。具体的には、colon 26をBALB/cマウスの背部皮下に移植し、腫瘍径を経時的に計測した。このマウスに対し、Cyclophosphamideで前処置をおこなったのち、異系ドナーであるC57BL/6の骨髄細胞を移入した。コントロール群としては、Cyclophosphamide投与のみで骨髄移植を行わなかった群を作成した。また、より多いanti-tumor T cellの移入を考え、骨髄細胞の代わりに、ドナー由来脾細胞を移入した群も作成した。骨髄、または脾細胞移入群では、コントロール群に比べ皮下腫瘍の縮小を認める傾向があったが、現在、有意の差であるかどうかを各実験群のn数を増やして検討中である。今後、別の前処置薬剤や他のtumor cell lineを用いた検討を行う予定である。
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