研究課題/領域番号 |
15591434
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
岡田 真樹 自治医科大学, 医学部, 助教授 (40254924)
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研究分担者 |
遠藤 則之 自治医科大学, 医学部, 助手 (30296090)
堀江 久永 自治医科大学, 医学部, 講師 (20316532)
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キーワード | 新肛門 / 肛門機能再建 / 直腸癌 / 人工肛門 / アヌス |
研究概要 |
昨年までと同様に、本年度も、以前に新肛門の手術をされ、長期成績が検討できた症例の臨床経過を詳しく検討した。その結果、手術の安全面で3期手術が推奨されること、新肛門の位置および臀裂の形成の点からも3期手術が推奨されること、さらに、術後の局所感染症の予防の点でも3期手術が有意に有利であり推奨されること、が明らかとされた。また、陰部神経の再生の点でも、3期手術のほうが、早期に再生される傾向にあることが明らかとなり、従来施行されていた、2期手術による新肛門よりも3期手術による新肛門のほうがすぐれた点が多いことが明らかとなった。 昨年の検討から、従来適応としなかった直腸癌の肝臓転移を合併する症例においても、癌の全切除が可能であり、相当の予後が期待される症例であれば、患者の希望により新肛門手術を行なうことが適当であると結論したが、本年の追跡調査でも、それらの症例で、新肛門によるQOLと満足度の改善が認められた。 昨年の検討から、3度の手術の間に予防的抗がん剤治療を行なうことの安全性が示唆されていたが、本年度の追加調査で、その安全性がさらに確認され、また、陰部神経の再生に悪影響を与えないであろうことも確認された。 以上より、肛門の切除する直腸癌においては、他臓器への転移が見られた場合においても、患者の希望に応じて、新肛門手術が適応となり、新肛門手術を行う場合においても、行わない場合と同様の抗がん剤治療を、日常診療においても、行うこととなった。
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