研究課題/領域番号 |
15591443
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
池田 佳史 帝京大学, 医学部, 講師 (20222870)
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研究分担者 |
小平 進 帝京大学, 医学部, 教授 (00110015)
新見 正則 帝京大学, 医学部, 助教授 (80198415)
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キーワード | 組織血流測定 / 胃管 / lipo-PGE1 / Laser-Dopper flowmetry法 |
研究概要 |
動物実験 【対象と方法】ブタ5匹を全身麻酔下に開腹し、大弯側胃管を作製する。組織血流量計(ALF21:アドバンス社、東京)を用いて同社のS型プローブを直接胃管の奨膜面に接触させ、胃管先端部を阻血部、胃管中央部を準阻血部とし、組織血流量と血液量を測定する。lipo-PGE1を0.05μg/kg/minで10分間の投与を行い、投与前、投与中、投与終了10分後にそれぞれの血流量を測定した。また、PGE1濃度をPGE1 Enzyme Immunoassay Kit(Assay Designs)を用いて投与終了時および投与終了10分後に測定した。 【結果】ブタは全て雌、体重は平均35kg(34〜36kg)であり、胃管の平均全長は13cm(12〜15cm)であった。術中に動脈血酸素飽和度、不整脈、著しい出血を認めた症例は無く、全例、血圧は安定していた。lipo-PGE1投与前では、準阻血部の血流量が4.3±1.4ml、阻血部は8.1±1.0mlであった。Lipo-PGE1投与中の阻血部は4.8±1.1mlと変動しなかったのに対して、準阻血部では13.9±1.4mlと有意に増加していた(p<0.01)。また、投与終了10分後では、阻血部は5.3±17ml、準阻血部の血流量は13.6±1.3mlであり。準阻血部の血流量はlipo-PGE1投与終了後にも有意に増加したままであった。一方、組織血液量のlipo-PGE1投与前との比較では、lipo-PGE1投与中の阻血部血液量の比は117±14%、準阻血部は108±17%であった。さらに、投与終了10分後では、阻血部は125±21%、準阻血部は103±18%であり。阻血部の組織血液量の比はlipo-PGE1投与終了後に有意に増加していた(p<0.01)。PGE1濃度は投与終了時は平均225pg/mlであったが、投与終了10分後では131pg/mlに有意に減少していた(p<0.01)。 【考察】血管作動性物質であるlipo-PGE1の1回投与により準阻血部位での組織血流の増加が認められ、阻血部位では二次的に組織血液量が増加した。PGE1の血中濃度は投与終了後に有意に低下していたにもかかわらず、この作用は持続していた。今後この作用が持続する期間、PGE1との比較実験をおこなう。
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