研究課題/領域番号 |
15591459
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
藤田 博正 久留米大学, 医学部, 教授 (90156878)
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研究分担者 |
末吉 晋 久留米大学, 医学部, 講師 (30235840)
田中 寿明 久留米大学, 医学部, 講師 (20227151)
鈴木 弦 久留米大学, 医学部, 助手 (80279182)
田中 健 久留米大学, 医学部, 講師 (60217023)
田中 優一 久留米大学, 医学部, 助手 (50268900)
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キーワード | 胸部食道癌 / 修学治療 / 食道切除術 / 根治的放射線化学療法 / Informed consent / 切除可能食道癌 / 中等度進行食道癌 |
研究概要 |
目的:中等度進行食道癌を対象とし、食道切除術と根治的放射線化学療法の治療成績を比較する。 対象: (1)食道扁平上皮癌。 (2)切除可能な中等度進行癌:T2-T3,N0-N3,M0,stage II-III (3)手術可能な全身状態:重篤な合併症がない。肝腎心肺機能が保たれている。 (4)放射線化学療法が可能な全身状態:Ccr>30ml/分、白血球数>3000、血小板数>10万 (5)活動性の進行重複癌がない。 (6)Informed consentが得られている。 方法:Informed consentに基づいて、患者が次の3つの治療方法から1つを選択する。 (1)食道切除例:治癒切除例では患者の希望により抗癌剤を、姑息切除例では放射線化学療法を追加する。 (2)放射線化学療法:放射線60Gy+CDDP/5FU少量連日投与2コース。 (3)放射線化学療法の半量投与後、効果をみて手術か放射線化学療法単独かを決定する。 (Neoadjuvant群) 放射線36Gy+CDDP/5FU少量連日⇒手術又は非手術を選択⇒放射線24Gy+CDDP/5FU少量連日 結果:2003年と2004年に45例がエントリーされた。食道切除30例、放射線化学療法10例、neoadjuvant群5例であった。これは同期間中の切除例の54%(32/59)、非切除例の26%(13/50)であった。 (1)切除例:治癒切除21例、姑息切除9例。 (2)放射線化学療法例:完遂6例、非完遂4例。CR3例、PR2例、NC5例。 (3)Neoadjuvant群:切除2例、非切除3例(CR1例、PR1例、NC1例)。 食道切除例の1年生存率は64%、平均生存期間13.8ヶ月。放射線化学療法例の同生存率は77%、 平均生存期間12.4ヶ月。Neoadjuvant群では1年生存がなく、平均生存期間6.4ヶ月であった。 結論:中等度進行食道癌に対する放射線化学療法は食道切除と同等の生存率を得る可能性がある。
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