研究概要 |
目的:切除可能(中等度進行)食道癌を対象とし、食道切除と根治的化学放射線療法の成績を比較する。 対象:(1)胸部食道の扁平上皮癌、(2)中等度進行癌:cT2-T3,cN0-N3,cM0,cStage II-III (3)手術可能な全身状態:年齢<80歳。重篤な合併症がない。肝腎心肺機能がよい。 (4)根治的化学放射線療法が可能な全身状態:Ccr>30ml/分、白血球>3000 (5)活動性の進行重複癌がない。(6)Informed consentが得られている。 方法:ICに基づいて、患者が次の3つの治療方法から1つを選択する。 (1)食道切除術群:治癒切除例では化学療法、姑息切除例では化学放射線療法を追加。 (2)化学放射線療法群:主病巣と転移リンパ節に放射線60Gy+CDDP/5FU少量連日2コース (3)Neoadjuvant群:化学放射線療法半量投与の効果をみて、手術するかしないか決定する。 放射線36Gy+CDDP/5FU少量連日⇒手術・非手術を選択⇒放射線24Gy+CDDP/5FU少量連日 結果:2003~05年に71例がエントリー。食道切除50例、化学放射線療法14例、Neoadjuvant7例。これは同期間中の切除例の54%(52/97)、非切除例の24%(19/79)であった。 (1)食道切除群:治癒切除例38例、姑息切除例12例(うちR1:7例、R2:5例) (2)化学放射線療法群:CR:8例、PR:4例、NC:2例 (3)Neoadjuvant群:切除2例、非切除5例(CR:3例、PR:2例) 食道切除群の1,2年生存率は79%、41%、化学放射線療法群の1,2年生存率は87%、70%、Neoadjuvant群の1,2年生存率は58%、0%であ食道切除群の1,2年生存率は79%、41%、化学放射線療法群の1,2年生存率は87%、70%、Neoadjuvant群の1,2年生存率は58%、0%であった。った。 結論:切除可能(中等度進行)食道癌に対する化学放射線療法は食道切除と同等の生存率を得る可能性がある。
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