研究課題/領域番号 |
15591477
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
近藤 和也 徳島大学, 医学部, 講師 (10263815)
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研究分担者 |
内原 博 堀場製作所, 分析センター, 研究職
三好 孝典 徳島大学, 医学部, 助手 (20346612)
門田 康正 徳島大学, 医学部, 教授 (60028628)
石川 純代 堀場製作所, 分析センター, 研究職
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キーワード | クロム肺癌 / 前癌病変 / クロム蓄積量 / 蛍光X線元素分析装置 / 遺伝子変化 |
研究概要 |
平成15年度、私たちはクロム肺癌切除材料(ホルマリン固定パラフィン包埋ブロック)のクロムの蓄積量を蛍光X線元素分析装置にて測定した。蛍光X線元素分析装置は顕微鏡レベルでクロムの蓄積量を測定することが可能で、その分布をプロットすることができ、組織像と対比することができることを確認した。次に、クロム工場従事者から得た気管支鏡下生検材料(異型上皮3例、扁平上皮化生10例、クロム暴露従事者の正常気管支上皮9例、クロムに暴露していない正常気管支上皮3例)のクロムの蓄積量を蛍光X線元素分析装置にて測定し、各病変とクロムの蓄積量の関連を明らかにした。各病変群のクロム蓄積量(cps/mA)は異型上皮20.2±5.4、扁平上皮化生18.3±12.2、クロム暴露従事者の正常気管支上皮13.2±13.4、クロムに暴露していない正常気管支上皮3.0±1.8であり、病変の異型度が高くなるに従ってクロム蓄積量は高くなった(Spearman's rank test : P=0.003)。現在クロム暴露者(17.6±14.2)と以前クロム暴露者(17.6±14.2)の比較では、両者間にクロム蓄積量の違いは認めなかった。クロム暴露年数とクロム蓄積量の間に相関を認めなかった(Pearson相関係数 : r=0.262)。平成16年度はクロム工場従事者から得た気管支鏡下生検材料からmicrodissection法にて病変部及び正常気管支部よりDNAを抽出し、(microsatellite instability)MSIや(loss of heterozygosity)LOHなどの遺伝子変化を生じているかを検討し、クロムの蓄積量とその部位の病変の遺伝子変化に関連があるかを検討する。
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