血液交差体外循環モデルを使用した摘出心を用い虚血再灌流を行わないControl群、心筋保護心停止再灌流群の2群でのapoptosis発生およびその程度を評価し、虚血再灌流障害におけるapoptosisの関与の程度を、心機能、心筋代謝、心筋形態から検討した。 1.実験動物:Wistarラット20匹を使用した。 2.実験群:Control群:心摘出のみを行い虚血再灌流を行わない群(n=10) 虚血再灌流群:通常の常温血液心筋保護液心停止再潅流を行った群(n=10) 3.実験方法:サポートラットを用いた血液交差体外循環モデルにドナーラットからの摘出心を装着し上記2群を作成し、虚血再潅流群では心筋保護液投与下に60分間の心停止、120分の再灌流を行った。 4.結果 心筋内乳酸、ATP含有量、CK-MB遊出量は虚血再灌流群で高値であった。走査電子顕微鏡所見では血管内皮細胞障害、apoptosis小体の出現を同群で認めた。 アガロース電気泳動による断片化DNA検出法による電気泳動パターン(ラダー)では、apoptosis発生に特有なラダーを認め、TUNEL法では断片化DNAを検出した。 以上結果より摘出心の虚血再潅流におけるapoptosis発生の関与が示唆された。
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