研究課題/領域番号 |
15591506
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
冨山 誠彦 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (40311542)
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研究分担者 |
若林 孝一 弘前大学, 医学部, 教授 (50240768)
神成 一哉 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (20241466)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | パーキンソン病 / ジスキネジア / L-DOPA / GABA / 淡蒼球内節 |
研究概要 |
6-hydroxydopamineをsterotaxicに内側前脳束に注入して片側黒質線条体神経細胞を破壊したラットに、レボドーパを反復投与することによってレボドーパ誘発ジスキネジアモデルラットを作成した。このモデルラットにおいて病変側の淡蒼球内節の肥大があること、その肥大は、5-HT1A受容体作動薬の同時投与によりレボドーパ誘発ジスキネジアを抑制することにより、抑制されることを示し、淡蒼球内節の肥大はジスキネジアに伴う特異的な病理所見であることを明らかにした。また、肥大の機序を明確にするために、免疫組織学、電顕および免疫電顕の手法により、その肥大はGABA作動性神経終末の拡大によることを示した。この結果は、淡蒼球内節におけるGABAの伝達異常がレボドーパ誘発ジスキネジア発現に関与していることを示している。しかしながら、淡蒼球内節には線条体と淡蒼球外節からの2種のGABA作動性神経が投射している。いずれのGABA投射が淡蒼球内節の肥大に関与しているかを明らかにするために、ジスキネジアモデルラットの健常側と病変側の線条体と淡蒼球外節に順行性トレーサーを注入し、と殺後淡蒼球内節の神経終末の大きさを計測した。淡蒼球外節-淡蒼球内節路の終末の拡大はなかったが、線条体-淡蒼球内節路の終末の拡大していた。すなわち淡蒼球内節の肥大は線条体からのGABA投射神経終末の肥大が原因であることが明らかとなった。これらの結果は、線条体から淡蒼球内節へのGABA投射の異常がレボドーパ誘発ジスキネジア発現に重要な役割を果たしていることを示唆している。さらには、この肥大という形態変化が、レボドーパ誘発ジスキネジアのPrimingを表すものと考えられ、淡蒼球内節破壊術や淡蒼球内節への深部脳刺激がレボドーパ誘発ジスキネジアに著効するのはこの肥大を破壊あるいは不活化するためと推察される。
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