研究課題/領域番号 |
15591516
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
西澤 茂 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (40135257)
|
研究分担者 |
竹前 忠 静岡大学, 工学部, 教授 (20115356)
難波 宏樹 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60198405)
|
キーワード | 磁気 / 電気インピーダンス / 脳循環 / 局所脳循環 / 非侵襲 |
研究概要 |
本研究は、磁気併用四電極法を用いた電気インピーダンス法による頭部測定法を提案し、頭蓋内の局所的な脳血流情報、および脳血管情報を非観血的に検出することを目的としている。頭部の局所的な電気インピーダンスが測定可能と考えられる本法を用いて、実際の頭部における測定を行った。脈波の解析方法として有用と考えられる加速度脈波を用い、プログラムによる自動解析を行った。加速度脈波とは容積脈波の二次微分波形である。加速度脈波は収縮初期陽性波(a波)、収縮初期陰性波(b波)、収縮中期再上昇波(c波)および収縮後期陰性波(d波)と拡張初期陽性波(e波)が得られる。加速度脈波の臨床応用において重要なものはb/a、d/aと考えられる。b/aの上昇は血管の伸展性の低下を反映し、d/aは血圧の上昇および血管壁の硬化によって低下する。従って、b/aとd/aによって血管壁の硬化状態が分かり、b/aの変化は血液含流量の変化と強く関係することが分かった。本研究では、特にb/aに着目し解析を行った。解析したパラメータはb/aと心電図のR波から加速度脈波成分aまでの時間Tr-aである。脳血流を変化させると考えられる喫煙負荷と息こらえ試験、過換気試験を行った。実験の結果、Tr-aは脈波伝播速度を反映していることが分かった。脳血流や脳血管系に変化がおこる負荷を被験者に与え、頭部数カ所における電気インピーダンス脈波の変化を測定すると、喫煙負荷により各部位で測定されるb/a,Tr-aに変化がみられ、その変化は前頭部、後頭部における血管伸展性低下、血管収縮がみられた。過呼吸に続く息こらえ試験の結果、b/aに変化が見られ血管拡張とそれに伴う頭蓋内圧上昇による血管伸展性の低下が生じている結果が得られた。このように本法により頭蓋内で生じる局所的な脳血管系の変化を独立に検出できると考えられる。本法も用いて、さらに実験結果の実証性を動物実験を行って検討することにしているが、まだこの実験で十分なデータがえられていないため、今後も本法を用いて動物実験を行って行く予定である。
|