研究概要 |
MRI信号強度とヘモグロビンの酸素飽和度、静脈側の血液量との関係。 1/T_2^*≡R_2^*=C'(1-Y)^βCBV_v [1] ここで、Yは静脈のヘモグロビン酸素飽和度、CBVvは静脈の血液量、βはヘモグロビンの酸化/還元状態の磁化率の差と測定条件時の横緩和の関係を示すパラメーターで、ΔR2^*=(Δc)^βの関係で示される。 ヘモグロビンの酸素飽和度は、還元型ヘモグロビン濃度[dHb]と置き換えられるので、[1]式は次式に書き換えられる。 R_2^*=C[dHb]^βCBV_v [2] CBFの異なる2つの状態におけるR_2^*の変化は、 ΔR_2^*=C(CBV_v・[dHb]_v^β-CBV_<v0>・[dHb]_<vo>β)=-C{1-(CBV_v/CBV_<v0>)・([dHb]_v/([dHb]_<v0>)^β} [3] 動脈側のヘモグロビンの酸素飽和度はほぼ100%であるため、Fickの法則から脳酸素代謝には次式のような関係が成立する。 CMRO_2≡CBF・[dHb]_v [4] 静脈血液量は脳血流量によって他動的に変化すると考えられるので、以下のようにΔCBFによって置き換えることができる。 ΔCBV_v=ΔCBF^α [5] 従って、方程式[3]は、次式のように書き換えることができる。 ΔR_2^*=M・{1-ΔCBF^<α-β>・ΔCMRO_2^β}, [6] CMRO_2に変化がない状態でCBFのみを変化させると、[6]式におけるΔCMRO_2は1になるので、MはΔCBFとΔR_2^*から求めるもとが可能になる。 従って、相対的なCMRO_2は、次式によって求めることが可能である。 rCMRO_2=CBF・(R_2^*/M×CBF^α)^<1/β> [7] この理論式に基づきMRIで求めたrCMRO_2とPETの結果を比較した結果高い相関をもって測定値が合致した。
|