研究課題
基盤研究(C)
平成16年度は平成15年度に引き続いて、優位大脳半球の側頭葉下面の言語関連中枢の研究を行い、最終的に以下の成果を得た。1)優位半球側頭葉下面の電気刺激による言語機能の解明難治の左内側側頭葉てんかん患者の術前検索の一環として、読み、書き、音声言語理解の要素を含む多様な言語課題を用いて側頭葉下面の皮質電気刺激による検索を行った結果、以下の知見を得た。(a)優位半球側頭葉下面は視覚言語処理過程と、聴覚言語処理過程の一部に関与している。(b)視覚言語処理過程に関しては、側頭葉下面内に漢字処理に関与する領域とかな処理に関与する領域が別々に存在する。(c)漢字の認知処理過程と図形・絵の認知処理過程は一部共通要素を持つ。2)優位半球側頭葉下面の事象関連電位による言語機能の解明漢字・かな文字単語の音読と物品の絵の呼称を中心とする視覚呈示課題を用いて、難治の左内側側頭葉てんかん患者の側頭葉下面の慢性硬膜下電極から事象関連電位を記録して解析を行った結果、音読黙読に関連してN200が誘発され、その一部は皮質電気刺激による言語領野と一致した。3)術前術後での神経心理検査結果の検討側頭葉底部言語野の皮質電気刺激結果に基いて、難治の左内側側頭葉てんかんでの同部位の機能を温存した焦点切除症例で、術前の神経心理検査と術後1年にわたる追跡調査を実施した。Wechsler Memory Scale-Revised(WMS-R)での言語記憶の低下は認めず、むしろ術前より改善した。以上より、優位半球側頭葉底部言語野は同側海馬と相まって言語記憶過程に一定の役割を果たす可能性が示唆された。4)言語優位半球同定の検査手法言語優位半球の同定において、最も信頼性の高い検査であるWada testに従来使用されていたアモバルビタールの製造中止に伴い、アモバルビタールに替えて、プロポフォールを用いてWada testを実施し、プロポフォールがWada testにおいてアモバルビタールと同等の安全性と有効性を有することを証明し、実施手法を確立した。
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