研究課題/領域番号 |
15591528
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
永廣 信治 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60145315)
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研究分担者 |
佐野 壽昭 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80154128)
佐藤 浩一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (90225938)
松原 俊二 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60294675)
鈴江 淳彦 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (60346608)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | 脳動脈瘤 / 平滑筋細胞 / マクロファージ / BTEB2 / 動物モデル / エストロゲン / 卵巣 |
研究概要 |
1)ヒトの脳動脈瘤壁を手術時に採取し、免疫組織学的に検討した。用いた抗体はα-平滑筋アクチン、デスミン、ミオシン重鎖アイソフォーム(SM1、SM2、SMemb)、Basic transcription element-binding protein 2(BTEB2)などに対する抗体である。その結果、大きな動脈瘤は小動脈瘤に比較してマクロファージや平滑筋細胞にBTEB2の発現が高まっていることを明らかにした。一方、破裂脳動脈瘤壁ではマクロファージの浸潤はあるもののBTEB2発現はみられなかった。 2)ラットの実験脳動脈瘤モデルを作成しcorrosion castによる電子顕微鏡標本で、脳動脈瘤形成初期過程を観察した。両側腎動脈結紮と一側頚動脈結紮の3ヶ月後に結紮した頸動脈と反対側の前大脳動脈分岐部に脳動脈瘤形成変化が認められ(20匹中11匹)、その形態変化パターンはStage I:血管内皮細胞が疎で不規則な配列を示す(n=5)、StageII:異常な内皮細胞に裏打ちされた血管内膜が紡錘状に隆起する(n=4)、StageIII:嚢状の動脈瘤が形成される(n=2)、の3段階に分類された。 3)新しい実験脳動脈瘤モデルを開発した。雌ラットで腎動脈結紮と一側頚動脈結紮後に両側卵巣を摘出しestradiol deficientな状態としたところ、卵巣摘出を行わず腎動脈結紮と一側頚動脈結紮のみ行ったラットに比べて、脳動脈瘤の発生頻度が3倍に上昇した。またEstradiol補充療法を施した治療群では脳動脈瘤形成が抑えられ、脳動脈瘤の成因にhormone特にestrogenの関与を示唆する結果であった。
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