研究課題/領域番号 |
15591529
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
宇野 昌明 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (90232884)
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研究分担者 |
永廣 信治 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60145315)
鈴江 淳彦 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (60346608)
板部 洋之 昭和大学, 薬学部, 教授 (30203079)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | Vulnerable carotid plaque / Oxidized LDL / superoxide dismutase |
研究概要 |
酸化LDLは脳動脈硬化の進展や脳梗塞を増悪させるが、生体にはMnSODやCu-ZnSODなどの内在的な抗酸化物質が存在し、酸化と抗酸化のバランスをとっている。今回頸動脈狭窄症患者で、血中やプラーク中でこの酸化・抗酸化のバランスがどのようになっているかを検討し、頸動脈のプラークの不安定性と酸化・抗酸化のバランスの関連性について検討した。35名の頸動脈内膜剥離術(CEA)を施行した患者を対象とした。CEAで摘出された頸動脈プラークをマクロファージの含有率でstable plaque(n=19)とvulnerable plaque(n=16)に分類した。酸化の指標として血中とプラーク中の酸化LDLを測定し、抗酸化の指標として血中およびプラーク中のSOD activity,プラーク中のMnSOD, Cu-ZnSOD濃度を測定した。また摘出したプラークを酸化LDL抗体とanti-nitrotyrosinで染色し、酸化の状態を検討した。Vulnerable plaqueではstable plaqueと比較してプラーク中の酸化LDL濃度は有意に高く(p<0.01)、SOD activityは有意に低かった(p<0.05)。Vulnerable plaqueを有する症例ではプラーク中と血中の酸化LDL濃度はプラーク中のSOD activityと負の相関を認めた(p<0.01)。またプラーク中のCu-ZnSODのactivityが保てないのはプラーク中のuric acid濃度が低いためと考えられた。プラークの免疫染色でVulnerable plaqueはstable plaqueと比較して酸化LDLとanti-nitrotyrosinで強く染色された。 以上の結果から、不安定な頸動脈プラークを有する症例では酸化と抗酸化のバランスが崩れ、この結果として血中の酸化LDLの上昇を来しているのではないかと考えられた。また血中の酸化・抗酸化物質を測定することで、プラークの性状が推察できる可能性を示した。
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