研究課題/領域番号 |
15591537
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
相原 徳孝 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00264739)
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研究分担者 |
山田 和雄 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90150341)
間瀬 光人 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60238920)
片野 広之 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30295612)
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キーワード | び慢性軸索損傷 / 神経細胞 / 変性 / 高次機能 / 神経栄養因子 / マイクログリア / アンチセンス / 外傷性ストレス |
研究概要 |
重症頭部外傷患者の救命率は、最近の急性期集学的治療法により著しく向上しつつあるが、一方で、高度の高次機能障害が残存している患者が多く存在する。このような症例においては、私どもは、PETによる研究で、脳のregional CBFやOEFが正常範囲であるにもかかわらずCMRO2が減少していることを明らかとした(International Congress Series 2004)。この原因を究明すべく、ラットを用いたび慢性軸索損傷モデルを開発したが、外傷後に軸索輸送の障害により神経細胞がゆっくりと変性していく事実を明らかにした。このような変性過程においては、外傷性ストレス後に障害が起きる部位で、活性化マイクログリアが誘導され、さらにこの活性化マイクログリアは神経栄養因子の一つであるNGFを放出するのであるが、相対的な神経栄養因子の欠乏により、神経細胞の変性が誘導されている可能性を明らかとした(Neuroscience Research 2004)。また、凍結損傷モデルや虚血性モデルにて、外傷性ストレスがserine proteaseの一つであるmyelencephalon-specific proteaseの発現引き起こし、この活性化が外傷後の軸索の再生や伸長に関係している可能性を示すことができた(Mol Brain Res 2004、J Neurotrauma in press)。しかしながら、今回の研究テーマ課題の一つであるアンチセンスにて活性化されたマイクログリアの負の因子を抑制することは、適当なアンチセンスの開発ができず、神経細部の変性防止が可能かどうか検討するまでには至らなかった。
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