研究概要 |
平成15年度はラットを、ネンブタール麻酔下にラット用のstereotactic deviceに頭部を固定し、直腸温をモニター下に左側頭葉、並び左大脳半球に0,5,10,20,30,50Gyの照射をそれぞれ36体づつ行って3,6,12,24時間後にラットを6体づつsacrificeして灌流固定し、脳梁,及び視交叉におけるグリア細胞数を算出し、照射後の単位面積当たりのGliaの各時点におけるglial cell lossを算出,またTUNEL法を用いてapoptotic cellを染色し、各時点におけるapoptotic rate(apoptotic cell/total glial cell)を算出し,同時にTUNEL法とGFAP(astrocyteのマーカー)、CNP(oligodendrogliaのマーカー)の2重染色を行い、apoptotic cellがoligodendrogliaである事を確認した。その結果,視交叉においては大脳白質に比して有意にapoptotic rateが低い事を明らかにできた。ここまでの研究で脳神経において初めて超急性期の放射線障害が確認され,この結果を現在第1報として英文雑誌に投稿中である。次年度は同様の照射及び染色をP53ノックアウトマウス、通常マウスでも行い、P53の急性期のglial cell lossへの関与を確認する予定である。
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