研究概要 |
平成16年度は、平成15年度に作成したラットのRadiosurgeryモデルを3,6,12ヶ月後にsacrificeして還流固定し、遅発性の放射線障害、脱髄性白質障害を鍍銀染色を用いて検出した。さらに各スライスをコンピュータに取り込んで画像解析ソフトを用いて病変の広がりを定量化した。その結果、脱髄性白質障害は照射3ヶ月後に始まり6ヶ月後まで進行・拡大し、12ヶ月後まで遷延する事、また脱髄の範囲は照射線量に比例して増加する事が明らかとなった。また、同時に進行させたマウスのRadiosurgeryモデルでは、このような遅発性障害はP53ノックアウトマウスで野生型と比べて有意に発症率が少ない事も明らかにする事ができた。今後は、平成15年度に定量化した照射24時間以内のoligodendrogliaのapoptosisと、1年以内に生じた脱髄性障害との相関を定量化して検討する予定である。この間、急性期のoligodendrogliaのapoptosisはaminosteroidやcorticosteroidなどの放射線保護剤ではblockできない事、また視神経でも同様のoligodendrogliaのapoptosisが大脳白質と同様に生じる事を見出し、これを出版公表した(Nagayama K, Kurita H, et al. : Radiation-Induced apoptosis of oligodendrocyte in rat optic chiasm. Neurol Res (in press))。
|