研究課題/領域番号 |
15591548
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
栗田 浩樹 杏林大学, 医学部, 講師 (70262003)
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研究分担者 |
塩川 芳昭 杏林大学, 医学部, 教授 (20245450)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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キーワード | radiosurgery / Oligodendroglia / apoptosis / demyelination / radiation necrosis / p53 knockout mouse |
研究概要 |
定位的手法を用いて病変に限局した一回大量照射を行うRadiosurgery(定位的放射線治療)は近年脳神経外科領域で急速に普及し、治療件数も飛躍的に増加しているが、その作用機序に関しては未だ解明されておらず、一回大量照射が正常脳に与える影響に関する知識は乏しい。本研究は、radiorurgery後のoligodendrogliaのapoptosisを定量化し、この現象が遅発性の脱髄性放射線障害にどのように関与しているか、また脳の血管内皮細胞にどのような影響を与えるかを解明する事を目的とし、4年間の研究で以下のような点を明らかにする事ができた。 (1)大脳深部白質で発見された照射数時間以内のOligodendrogliaのapoptosisによる選択的な細胞死を脳神経(視神経)においても生じている。 (2)この細胞死はaminosteroidやcorticosteroidなどの臨床で用いられている放射線保護剤ではブロック不可能である。 (3)遅発性脱髄性障害は照射3ヶ月後に始まり6ヶ月後まで進行、拡大し、脱髄の範囲は照射線量に比例して増加する。 (4)遅発性脱髄性障害は超急性期のoligodendrogliaのapoptosisの程度と相関する。 (5)臨床上で認められる照射野近傍のcystや慢性被膜化血腫の原因は限局した白質の微小血管障害によるvasculopathyであり、radiosurgeryに特有な放射線壊死である。 (6)臨床上散見される脳動静脈奇形がradiosurgery後に消失・治癒したあとの頭蓋内出血は限局した放射線壊死巣に基因するradiosurgeryのadverse effectである。
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