研究課題/領域番号 |
15591561
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
羽鳥 正仁 東北大学, 病院, 講師 (70208552)
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研究分担者 |
梅田 みか (渡辺 みか) 東北大学, 病院・助手 (20292344)
豊澤 悟 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30243249)
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キーワード | 腫瘍性骨軟化症 / 免疫染色 / Dentin matrix protein 1 / 電顕 |
研究概要 |
腫瘍性骨軟化症の組織学的検討の結果、本腫瘍は弱酸性の胞体を有する小型の類円形細胞と紡錘形細胞より構成されていた。Stag horn状の屈曲した血管の周囲には腫瘍細胞の増生した血管外皮腫様の個所もみられた。石灰の沈着も観察された。細胞密度が高く核の不整、細胞分裂像もみられた。本腫瘍の肺転移の組織像も下腿原発の本腫瘍と同じく血管周皮腫様の配列と好塩基性の石灰沈着の目立つのが特徴で、弱酸性の胞体を有する小型の類円形細胞から紡錘形細胞より構成されていた。免疫染色の結果も同様で、Vimentin(+)、CD34(-),CD31(-)、HHf-35一部(+)、αSMA一部(+)、S100(-)Cytokeratin(-)、EMA(-)で、Ki6 7陽性率は6-7%に対して陽性であった。電顕観察では拡張した粗面小胞体、リボゾーム、ミトコンドリアを含む細胞質と不規則な核を有する細胞が観察された。細胞質内と間質に高電子密度の物質が存在していた。それとは別に間質には石灰化を示す高電子密度の顆粒の沈着がみられた。本疾患は、腎尿細管のP再吸収抑制により低P血症が生じるのが原因と考えれている。この物質としてFGF-23が考えられているが、共同研究者の豊澤らは、dentin matrix protein 1(DMP1)がphosphaturic mesenchymal tumorに特異的に陽性となることを、報告している。本腫瘍においても免疫組織化学的にも遺伝子学的にもDMP1の発現が確認された。前述した電顕で示された高電子密度の物質がDMP1である可能性が高いと考えている。
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