研究課題/領域番号 |
15591580
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
遠藤 健次 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60325272)
|
研究分担者 |
安井 夏生 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00157984)
加藤 真介 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (30243687)
東野 恒作 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教務員 (80380129)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
キーワード | 脊椎分離症 / 脊椎すべり症 / 発育期 / 思春期 / 生体力学 / 有限要素解析 / 脊椎すべり症 / 病態 |
研究概要 |
小児脊椎分離症からすべりにいたる機序について、我々の先行研究ですべりは未熟な椎体終板に存在する成長軟骨層で発生することを示した。この2年間では、(1)すべりの発生進展過程についての組織学的研究も進めた。また、(2)すべりの原因となる分離の発生について臨床的研究を深めると共に、そこでの観察事実を生体力学的手法で検証した。 (1)幼弱ラットの腰椎の後方要素を切除したモデル動物では、手術直後ではなく1週間後にすべりが発生することから本モデルの妥当性が再確認された。さらに、すべりは主には椎体後方の成長軟骨層のうちでも肥大軟骨層で生じていることが明らかとなった。同時に椎体前方では成長軟骨層の肥大と椎体の変形を観察した。現在、剪断力を中心とした機械的刺激が成長軟骨に及ぼす影響について、in vivoでさらに追求している。 (2)臨床研究では分離の癒合が得られるための要因を、局所因子、腰仙椎因子、全身因子にわけて検討した。その結果、すべりの発生は骨癒合不良の大きな因子であることが分かった。また、分離が片側から両側へと進展していく過程、分離部の形態のスポーツ特異性を明らかにした。これらの観察事実は有限要素解析法を用いた生体力学的検討結果とよく一致した。また、分離の早期診断のために分離部からやや離れた椎弓根部のMRI信号強度変化の観察が有用であることを臨床的に示すと共に、有限要素解析で分離が椎弓根部に力学的変化を及ぼすことを捕らえた。 以上より、小児期の脊椎分離およびそれに続発するすべりは、いずれも未熟な椎体に対して繰り返し加わる力学的ストレスによる疲労骨折様現象であることが明らかとなった。分離およびすべりの発生に運動特性が明らかになってきており、これらの発生の予防が視野に入ってきたと考える。
|