研究課題/領域番号 |
15591584
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
山本 晴康 愛媛大学, 医学部, 教授 (10092446)
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研究分担者 |
尾形 直則 愛媛大学, 医学部, 助手 (30291503)
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キーワード | macrophage / electroporation / spinal cord injury / gene transfer / neurotrophic factor / green fluorescent protein |
研究概要 |
ラット胸髄を20gの重錘で圧迫することにより、下肢に知覚過敏と運動機能障害を起こさせるモデルを用いて、同じ固体の腹腔から単離したマクロファージを硬膜内に注入すると、損傷部にmigrationすることが予想される。脊髄損傷に対する治療法の開発として、神経栄養因子の遺伝子を過剰発現させたマクロファージを神経損傷部に移植し、神経回復を図ることが本研究の最終的な目的であるが、今回の研究ではまず、その遺伝子導入システムを確立するために、マクロファージにGFPを過剰発現させ、移植した細胞の動態を観察した次に浮遊マクロファージに遺伝子導入することを試みた。電気刺激を20Vで20msの刺激を6回繰り返したときが、一番GFPの発現が優れていた。この条件で培養した細胞では10日後でも十分な蛍光を発することがわかった。 上記の条件でGFP遺伝子を導入したマクロファージを、脊髄損傷後に硬膜内に100μl注入した。そして1週間後に組織を矢状断で観察すると脊髄損傷中心部に空洞ができており、その周辺に多数の蛍光を発するmigrateしたマクロファージが観察された。マクロファージは脊髄の辺縁部にも見られたが、損傷の強い中心部に多数migrateしていた。損傷部から1センチ離れた部位では蛍光を発するマクロファージの数は損傷中心部に比べて遙かに少ない量であった。この結果から硬膜内に注入されたマクロファージは、損傷中心部に集積することがわかった。 本研究ではまず、GFPのみを含むベクターを導入し、マクロファージの動態を観察したが、我々の使用したベクターには、更に任意の遺伝子を組み込むことが可能である。今後、神経栄養因子などを組み込んだベクターを用いて同様のマクロファージ移植を行うことにより、脊髄損傷の軽減や神経再生の可能性を模索したいと考えている。
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