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2005 年度 実績報告書

関節リウマチの骨吸収における骨芽細胞・破骨細胞間の相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 15591598
研究機関岩手医科大学

研究代表者

宇月 美和  岩手医科大学, 医学部, 講師 (50305992)

研究分担者 澤井 高志  岩手医科大学, 医学部, 教授 (00125577)
菅野 祐幸  岩手医科大学, 医学部, 助教授 (40252663)
田島 克己  岩手医科大学, 医学部, 講師 (80236520)
キーワード関節リウマチ / 骨破壊 / Tリンパ球 / 蛋白分解酵素 / 破骨細胞
研究概要

関節リウマチ(RA)の関節破壊部に存在する骨芽細胞と破骨細胞に焦点をおき、それらの細胞動態、蛋白分解酵素の発現、相互間の調節機構について検討した。
これまでの検討ではMatrix metalloproteinases (MMPs)をはじめとする蛋白分解酵素および破骨細胞分化誘導因子が関節リウマチ(RA)患者の骨破壊部で高度に発現していることが証明されている。RAの骨破壊には破骨細胞の活性化が重要な鍵を握っているが、硬組織であるため、破骨細胞や骨芽細胞のみを単離することは困難であった。そこで、今回はRA患者の滑膜組織や末梢血中の単核球を刺激することによって得られた骨吸収能を持つ細胞(破骨細胞様の細胞)を用い、骨基質への吸収能を検討することによって、骨破壊能を検討した。
破骨細胞の培養系については、SCIDマウスの皮下にヒトRA患者から採取された滑膜組織とともにDentin Slice(象牙スライス)を移植し、dentin slice上に形成される吸収窩pitを計測することによって、破骨細胞の活性化を定量化した。また、破骨細胞数についてはTRAP染色を行なって計測した。その結果、破骨細胞数およびpitの数(破骨細胞の活性化能)は移植した滑膜組織の炎症の程度によって変化しており、特にCD4陽性リンパ球の数に相関していた。培養プレートへの接着能を持つヒト末梢血単核球をRANKLやM-CFSで刺激した後に、活性化されたCD4陽性Tリンパ球と共に培養すると、単核球のみで培養するよりも破骨細胞数およびpit数(破骨細胞の活性化能)が増加していた。また、抗FAS抗体を添加してCD4のアポトーシスを誘導すると、CD4陽性T細胞の減少とともにpitの数も減少していた。以上より、RAにおける骨破壊部の破骨細胞数と骨吸収活性化能の増加には滑膜組織中の炎症性細胞、特にCD4陽性Tリンパ球の活性化が大きな影響をもたらす事が示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Downregulation of inhibitor of apoptosis proteins in apoptotic human chondrocytes treated with TNF-alpha and actinomycin D.2006

    • 著者名/発表者名
      Yoshimura F, Kanno H, Uzuki M, Tajima K, Shimamura T, Sawai T.
    • 雑誌名

      Osteoarthritis Cartilage 14(in press)

  • [雑誌論文] Adiponectin activates c-Jun NH2-terminal kinase and inhibits signal transducer and activator of transcription 3.2005

    • 著者名/発表者名
      Miyazaki T, Bub JD, Uzuki M, Iwamoto Y.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun 333・1

      ページ: 79-87

  • [雑誌論文] Characterization of ANK positive cells in joint tissue from patients with calcium pyrophosphate dihydrate crystal deposition disease (CPPD).2005

    • 著者名/発表者名
      Uzuki M, Sawai T, Ryan LM, Rosenthal A, Masuda I
    • 雑誌名

      Arthritis Rheum 52・9

      ページ: 52

  • [雑誌論文] 関節リウマチにおけるヒアルロン酸の動態-高分子ヒアルロン酸による治療の有効性を示す基礎的研究-2005

    • 著者名/発表者名
      宇月美和, 大内修二, 貝山潤, 澤井高志
    • 雑誌名

      Clin Rheumatol 17・2

      ページ: 126-134

  • [雑誌論文] II.各論-臓器病変と鑑別診断-4.関節・骨.2005

    • 著者名/発表者名
      宇月美和, 徳永勢二, 澤井高志
    • 雑誌名

      病理と臨床 23・臨時増刊

      ページ: 105-115

  • [雑誌論文] 末梢CRFとurocortinの役割-免疫系.2005

    • 著者名/発表者名
      宇月美和, 高橋和広, 笹野公伸, 澤井 高志
    • 雑誌名

      内分泌・糖尿病科 21・5

      ページ: 482-489

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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