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2004 年度 実績報告書

慢性関節リウマチおよび変形性関節症における新規血管新生関連遺伝子PRG-Bの役割

研究課題

研究課題/領域番号 15591602
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

森岡 秀夫  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10230096)

研究分担者 松本 秀男  慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (50138038)
キーワードrheumatoid arthritis / osteoarthritis / angiogenesis / plasminogen / cartilage / synovium / plasminogen related gene / vascular endothelial growth factor
研究概要

平成16年度研究実績の概要
【目的】軟骨は基本的に無血管組織であり、力学的特性を有する細胞外マトリックスを構築することで生理的機能を果たしている。しかし病的状態では、血管の侵入が起こり、軟骨破壊が進行するため、軟骨中には周囲からの血管の侵入を阻止する目的で血管新生抑制因子が存在していることがわかっている。我々は、軟骨中に同定した血管新生関連遺伝子(プラスミノーゲン関連遺伝子タイプB : PRG-B)のリコンビナント蛋白(PRP-B)を精製し、血管新生抑制を介した腫瘍増殖抑制について検討してきた。そこで、今年度はPRP-Bの関節リウマチや変形性関節症に対する影響について、滑膜線維芽細胞に着目し研究を行った。
【方法】正常ヒト滑膜線維芽細胞をbFGFあるいはIL-1bで刺激し、PRP-Bを添加培養してその増殖抑制効果とヒト滑膜線維芽細胞におけるVEGFの発現を蛋白質、遺伝子レベルで検討した。
【結果】PRP-Bは滑膜線維芽細胞の細胞増殖には関与しなかったが、滑膜線維芽細胞におけるVEGFの発現を蛋白質、遺伝子レベルで抑制した。
【考察および結論】我々はPRP-BがbFGF、IL-1bで刺激した滑膜線維芽細胞に与える影響について解析した。その結果、PRP-Bは細胞増殖には関与せず、VEGFの発現を抑制することが明らかとなった。VEGFは強い血管新生作用、血管透過性亢進作用のみならず、単球走化作用も有しており、関節リウマチや変形性関節症の病態形成に深くかかわっていると考えられる。それゆえ本研究の結果は、PRG-Bが関節リウマチや変形性関節症における病的血管新生を調節する治療標的遺伝子になりうることを示唆している。来年度は、この点を中心に研究を進める予定である。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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