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2004 年度 実績報告書

BMPによる細胞分化誘導時におけるDANおよびp53ファミリーの機能的役割

研究課題

研究課題/領域番号 15591612
研究機関千葉県がんセンター(研究所)

研究代表者

中村 洋子  千葉県がんセンター, 生化学研究部, 研究員 (60260254)

キーワードp53 / Neuroblastoma / BMP2
研究概要

これまでの我々の研究から、神経芽腫にBMPシグナル伝達経路が存在し、細胞増殖を抑制することが明らかとなったが、神経突起の伸長は細胞間で異なる応答牲を示した。本研究では、神経芽腫の発生・分化におけるBMPの応答性とp53の機能的役割について解析した。神経芽腫由来のSK-N-AS細胞をBMP2処理するとBMPシグナル伝達分子であるSmad1/5/8のリン酸化は処理後30分で顕著に認められ、細胞の増殖速度は抑制されたが、神経突起の伸長は観察されなかった。一方、神経芽腫におけるp53の局在牲は多くの場合、細胞質および核に存在することが知られている。SK-N-AS細胞ではp53は核には殆ど認められず、細胞質に発現していることが判った。BMP2処理によってその局在性ならびに発現量には変化は認められなかった。さらに、SK-N-AS細胞のp53は野生型p53と比べて蛋白質サイズが小さいことが判明した。また、p53のC末端を認識する抗体は、SK-N-AS細胞のp53を検出できないことから、このp53は核移行配列を含むC末端を欠損している可能性が示唆された。神経芽腫由来のSH-SY5Y細胞では、シスプラチンに応答してp53の安定化およびその標的遺伝子であるp21^<WAF1>,BAXの発現昂進を伴うアポトーシスの誘導が観察された。一方、シスプラチン処理したSK-N-AS細胞はG2/M期で停止しアポトーシスに陥らなかった。SK-N-AS細胞では、シスプラチンによるp21^<WAF1>の発現誘導は認められるものの、p53の安定化およびBAXの発現昂進は検出されなかった。従って、SK-N-AS細胞の薬剤耐性はp53の構造異常に起因すると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] topors, a p53 and topoisomerase I-binding RING finger protein, is a coactivator of p53 in growth suppression induced by DNA damage.2005

    • 著者名/発表者名
      Lin, L., Nakamura, Y., et al.
    • 雑誌名

      Oncogene 28(Epub ahead of print)

  • [雑誌論文] Low expression of human tubulin tyrosine ligase and suppressed tubulin tyrosination/detyrosination cycle are associated with impaired neuronal differentiation in neuroblastomas with poor prognosis.2004

    • 著者名/発表者名
      Kato, C., Nakamura, Y., et al.
    • 雑誌名

      Int.J.Cancer. 10

      ページ: 365-375

  • [雑誌論文] Reduced inflammatory pain in mice deficient in the differential screening selected gene aberrative in neuroblastoma2004

    • 著者名/発表者名
      Ohtori, S., Nakamura, Y., et al.
    • 雑誌名

      Mol.Cell.Neurosci. 25

      ページ: 504-514

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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