研究課題/領域番号 |
15591614
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松田 直之 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50332466)
|
研究分担者 |
丸藤 哲 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30125306)
服部 裕一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50156361)
|
キーワード | 敗血症 / Toll-like受容体 / MyD88 / TRAF6 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
平成15年度はToll-like受容体(TLR)のサブタイプ2と4の2つの受容体のcDNAを作成し、主要臓器(肺、心臓、肝臓、脾臓、賢臓)に発現するTLRをノーザンプロット解析で検討した。TLR4の主要臓器発現は、正常なマウスでは肺と心房筋に多く認められた。盲腸結紮穿孔による敗血症の時間経過とともに、主要臓器に発現するTLR4の発現は減少傾向を示したが、主要臓器中では賢臓の発現が高まることを見出した。NF-kB(p65)はTLR4の発現と正に相関していた。アダプター蛋白MyD88やTRAF6の解析は現在進行中であるが、主要臓器に一様に存在することを確認した。 そこで、主要臓器内でのTLR4局在を免疫組織染色で確認した結果、肺では気管支上皮細胞に多く、炎症の進行により血管内皮細胞の発現が高まることがわかった。心房筋では細静脈の血管内皮細胞に多く存在するが、心房筋や細動脈内皮細胞にもTLR4の存在が確認された。敗血症の経過によりTLR4の発現の高い部位は脱落する傾向が認められ、これによりノーザンプロット解析によるTLR4 mRNAの臓器内濃度は減少する傾向となると考えられた。敗血症の進行により賢でTLR4が増加し、炎症が進行する機序として、敗血症で産生されるいくつかの物質が関与すると考え、現在、その物の同定を試みている。 平成16年度は以上の研究にTLR2の発現調節の検討を加え、TLR4とTLR2の相互連関をmRNAレベルと免疫組織化学的レベルで明らかにする方針である。
|