研究概要 |
自主開発した光ファイバー内蔵カテーテル用の光供給・光受容増幅装置を使用して以下の研究を行った。実験動物としてウサギ(ニュージーランドホワイト種,日本白色種)を使用した。 1)最適なカテーテル留置位置の検討 頚静脈よりアボット社製5.5Fr光ファイバー内蔵カテーテルを挿入し,X線透視下に上大静脈,右心房,肝静脈,尾側下大静脈に先端を留置した。光吸収信号と呼吸,脈拍の振動によるノイズの比率を検討した。尾側下大静脈にて信号ノイズ比がもっとも良好であった。 2)血中インドシアニングリーンの定量 下大静脈に留置した光ファイバーカテーテルに,800nmの近赤外光を供給し,800nmの反射光の強さを記録した。インドシアイニングリーンを2.5mg,5.0mg上大静脈から投与し,800nmの反射光の減衰率を記録した。同時に血液を1分間隔で採取し,血漿のインドシアニングリーン濃度を分光計で定量した。In-vivoの800nm反射光の減衰率とin-vitroで測定したインドシアニングリーンの濃度には直線関係が認められ,本システムによりインドシアニングリーンの血中濃度を実時間で定量できることが明らかになった。 3)血中フラビンアデニンジヌクレオチドの測定 フラビンアデニンジヌクレオチド投与後に下大静脈に留置した光ファイバーカテーテルに,450nmの青色光を供給し,530nmの蛍光を記録した。両波長ともヘモグロビンや血漿蛋白により強く吸収されるのが,フラビンアデニンジヌクレオチド5mg投与後に微弱であったが530nmの蛍光を計測できた。本システムを用いてin-vivoで血中物質の蛍光を測定できることが明らかになった。
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