研究概要 |
昨年度までに開発した光ファイバー内蔵カテーテル用の光供給・光受容増幅装置を使用して以下の研究を行った。 1)実験動物を用いたインドシアニングリーン蛍光のin-vivo測定 実験動物としてウサギ(ニュージーランドホワイト種)を使用した。ケタラール,ジアゼパムにて全身麻酔下に自発呼吸で実験を行った。アボット社製光ファイバー内蔵カテーテルを右頚静脈より挿入し,X線透視下にカテーテル先端を下大静脈に留置した。経静脈的に投与したインドシアニングリーンの血中濃度を,カテーテルを介して766nmの光を照射して励起された830nmの蛍光強度を連続記録することに測定した。経時的に採血し,血漿インドシアニングリーン濃度を,分光光度計にて800nmの吸光度で定量した。In-vivo蛍光強度と血漿濃度は,個々の動物では良い相関関係を示したが,基準直線の動物間差を補正する方法を今後検討する必要がある。 2)インドシアニングリーン血中濃度動態の検討 実験動物にインドシアニングリーンを投与した際の蛍光強度の減衰曲線を10分間連続的に記録した。減衰曲線を対数化し,投与直後の蛍光強度を推定することによって循環血液量を概算することが可能となった。今後,仮定するコンパートメントの数を増やすことによって血管内水分量,間質水分量,細胞内水分量を推定する方法を検討する。 3)特殊光ファイバー内蔵カテーテルの作成 カテーテル先端でエバネッセント光を放出し,それにより励起された蛍光を受光する特殊カテーテルを考案し,基本設計図を作成した。
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