研究課題/領域番号 |
15591629
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
仁科 かほる 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20311780)
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研究分担者 |
三川 勝也 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40229662)
森川 修 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (50335436)
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キーワード | 急性肺傷害 / アポトーシス / 肺胞上皮細胞 / 人工呼吸 / メカニカルストレス / エンドトキシン / サイトカイン / 好中球 |
研究概要 |
2型肺胞上皮細胞から産生される種々のサイトカインや2型細胞のアポトーシスが機械的人工呼吸誘発肺傷害(ventilator-induced lung injury : VILI)のメカニズムに重要であると考えられている。そこでストレッチ刺激をできるだけかけない時に生じるhypercapniaがケモカイン産生やアポトーシスに及ぼす影響を検討した。培養ヒト2型肺胞上皮細胞(A549)の培養液二酸化炭素分圧を40-45mmHg(normocapnia)と70-80mmHg(hypercapniaの2種に保ち実験した。エンドトキシンでA549を刺激し24時間インキュベーションしたところnormocapniaに維持した培養液中のIL-8は無刺激群に比較し有意に高値を示した。この系をhypercapniaに維持して行なったところエンドトキシンによるIL-8の分泌がさらに亢進した。培養液をhypercapniaに維持した時は、無刺激でも若干のIL-8分泌を認めた。リアルタイムPCRを用いmRNAの発現を検討したところ、エンドトキシン刺激をおこないhypercapniaに維持した群で、IL-8のmRNA発現が最も著明であった。このことより、hypercapniaという環境は遺伝子の転写レベルにおいてIL-8の産生をup-regulateするものと考えられた。また、FACSを用いhypercapnia環境でのA549細胞のアポトーシスを検討したところ、hypercapniaはアポトーシスを軽度増強したがデータのレンジが広く有意差を見い出すことはできなかった。
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