研究課題/領域番号 |
15591631
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
板野 義太郎 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30127542)
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研究分担者 |
森田 潔 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40108171)
溝渕 知司 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70311800)
横山 正尚 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (20158380)
阿部 康二 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20212540)
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キーワード | 帯状疱疹後神経痛 / 難治性疼痛 / 遺伝子 / 動物モデル |
研究概要 |
難治性疼痛の代表である帯状疱疹後神経痛は未だ治療法が確立されていないのが現状である。その一つの原因として動物モデルを用いた基礎研究がなされていないことが挙げられる。近年、マウスに単純ヘルペスウイルスを接種することでヒトの帯状疱疹痛と同様な病変を作成でき、帯状疱疹後神経を再現できることが報告された。本研究では、このモデルの完成をめざし、帯状疱疹後神経痛の機を探るとともに治療法の確立を目指すことを目的としている。 2年計画の初年度の今年は、基礎段階としてラットを用い、帯状疱疹後神経痛と同様な神経因性疼痛モデルである脊髄結紮モデルを作成し、脊髄レベルでどのような遺伝子発現がなされているかを観察した。同時に急性痛の代表である術後痛モデルラットも作成し、行動および脊髄での遺伝子発現を察した。PCR法にて痛み関連物質である神経栄養因子群のNGF、BDNF、GDNFやc-Fosなどのプローベを作成し、in situ hybridizationの手法を用い、脊髄レベルでの各物質の発現を検討している。特に難治性疼痛に関連があるといわれるNMDA受容体の関連に注目し、脊髄神経結紮モデルラットにNMDA受容体拮抗薬であるケタミンを脊髄内投与することで疼痛にいかなる変化が生じるかを検討するため、ラットの脊髄内にカテーテルを挿入し、微量注入ボンプで薬剤を注入する手技を確立した。これにより、将来実施予定である帯状疱疹後神経痛に対する痛みの遺伝子治療の実現に向けた足がかりを得た。 本題であるマウスでの帯状疱疹後神経痛モデルに関しては、手技を現在習得中であり、帯状疱疹痛から帯状疱疹後神経痛へ移行させる問題などが課題となっている。
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