研究概要 |
脳虚血モデルおよび脳脂肪塞栓モデルでbasal laminaの経時的変化を検討した。 【方法】:前年度のモデルすなわちMCAO群:triolein飛散群(2時間群,24時問群,72時間群),およびC群(生食注入)各群(n=5)のホルマリン標本を用いて,type IV抗体を用いてbasal laminaの染色を行い経時的変化を評価した.basal laminaの変化は実験群を知らない人が評価し,肉眼的に観察した. 【結果】:C群に比べてMCAO群ではbasal laminaの変化ははっきりしなかったが,triolein群では染色性が弱い傾向がみられた. 【考察】:trioleinによるラット脳脂肪塞栓モデルでは、局所脳虚血モデルに比べて2時間という短時間でbasal lamina変化が生じている可能性があり,脳浮腫の形成と結果は一致する.脂肪塞栓では早期からmatrix metalloproteinaseとそれによるbasal laminaの破綻が病態の形成に関与していると考えられた.
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