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2005 年度 実績報告書

手術手抜に起因する術中心停止・その他の危機的合併症に関する全国実態調査

研究課題

研究課題/領域番号 15591637
研究機関九州大学

研究代表者

入田 和男  九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (80168541)

研究分担者 高橋 成輔  九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30038723)
森田 潔  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40108171)
津崎 晃一  慶応義塾大学, 医学部, 助教授 (90138107)
瀬尾 憲正  自治医科大学, 麻酔科, 教授 (40093257)
キーワード手術 / 出血 / 心停止 / 死亡 / 輸血 / 麻酔
研究概要

2004年に全国の麻酔科認定施設で発生した手術手技、特に手術が原因の出血に起因する心停止ならびに高度低血圧症例に関するアンケート調査を行なった。2003年に得られた症例と併せて計805症例に関して解析を行なった.
その結果,(1)術中総出血量は体重60kg換算で12l以上という超大量出血が約1/3を占める一方,6l以下という循環血液量相当以下の出血も約1/3を占める,(2)体重60kg換算で360ml/分以上という超急速出血症例が30%を占める一方,240ml/分以下の症例,つまり急速輸血装置2台程度で何とかしのげたのではないかと想像される症例も28%を占める,(3)高度貧血を呈する症例もあるものの貧血の程度は軽度の症例も多い,(4)患者の術前重症度別に見ると軽症群よりも重症群で発生率が約7倍高い,(5)輸血ガイドラインに示されている緊急避難的輸血法の実施率は低い,ことが判明した.
以上のことから,出血そのものが危機的な症例がある一方で,出血そのものはそれ程ではなくても危機的な状況に拡大する症例があることが判明し,手術出血死回避の道が残されていることが判る.危機的な偶発症への拡大要因としては手術や患者の術前重症度以外に,麻酔管理や血液供給の問題,さらに緊急避難的輸血法の未施行が占める割合も少なくなく,手術出血による偶発症回避には組織的な対応が必要と考えられる.
このような解析結果をもとに,日本麻酔科学会と日本輸血学会の合同作業で「危機的出血への対応ガイドライン(仮)」が作成されつつある.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 術前合併症がない予定手術症例で発生している危機的偶発症の現状:偶発症例調査1999〜2002の解析より2005

    • 著者名/発表者名
      入田和男 他
    • 雑誌名

      麻酔 54・8

      ページ: 939-948

  • [雑誌論文] 区域麻酔で発生している危機的偶発症の現況:麻酔関連偶発症例調査1999〜2002の解析結果より2005

    • 著者名/発表者名
      入田和男 他
    • 雑誌名

      麻酔 54・4

      ページ: 440-449

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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