研究課題/領域番号 |
15591651
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
安藤 富男 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00193110)
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研究分担者 |
原田 高志 横浜市立大学, 医学部附属病院, 助手 (40326038)
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キーワード | ATP感受性Kチャネル / ニューロン / 黒質ドーパミンニューロン / protein kinase C / アデノシン / ミトコンドリア / フラビン蛋白 / 活性酸素 |
研究概要 |
薬剤によってアデノシン受容体やprotein kinase C(PKC)を刺激したときの神経細胞の細胞膜およびミトコンドリアATP感受性Kチャネル(KATPチャネル)機能が促進されるかどうかを検討する目的で、以下の研究を行った。 研究1:細胞膜KATPチャネル ラットの黒質を含む脳スライスにおいて、黒質緻密層ドパミンニューロンに対するwhole cell patch clamp法を施行し、細胞質をATP 1mM含んだピペット内液で還流し、膜電位と膜コンダクタンスを測定した。前処置をしない対照群では、膜電位は変化しなかったのに対して、PKC刺激薬であるPhobol dibutylate(PDBu)前投与群では、膜電位は徐々に過分極し、膜コンダクタンスは増加した。この状態で吸入麻酔薬であるイソフルレンを加えても膜電位と膜コンダクタンスは不変だったが、過分極と膜コンダクタンスの増加はKATPチャネルの阻害薬であるtolbutamideよって拮抗された。しかし、同様の反応は、PKC刺激活性のない類似化合物である4α-phorbol didecanoateの投与によっても認められ、さらにPDBuの効果はPKC阻害薬存在下でもみられた。以上より、PKC刺激薬は細胞膜のKATPチャネルの開口を促進するが、その作用はPKC活性化とは異なる機序で生じると考えられた。また、心筋で報告されたようなPKC活性化によるイソフルレンのKATPチャネル開口促進作用の出現は、神経細胞では認められなかった。 研究2:ミトコンドリアKATPチャネル ミトコンドリアKATPチャネル機能を間接的に反映すると考えられる、フラボ蛋白蛍光と活性酸素を測定するための実験系の確立に向けて基礎実験を行った。
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