研究課題/領域番号 |
15591665
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
芝本 利重 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90178921)
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研究分担者 |
土田 英昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20155394)
倉田 康孝 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (00267725)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | アナフィラキシーショック / 肝循環 / 摘出灌流肝 / 肝類洞圧 / ラット / モルモット / 肥満細胞 / クッパー細胞 |
研究概要 |
(1)肝アナフィラキシーの血管収縮部位の同定と肝内血液動態の解明 モルモット、ラット、ウサギの肝アナフィラキシーモデルを摘出灌流肝臓で確立し、血管閉塞法によって類洞圧を測定して前類洞と後類洞の血管抵抗を求めた。モルモットでは、前類洞血管収縮が優位だが、有意の後類洞血管収縮もあり、肝重量は増加した。一方、ラットとウサギではほぼ選択的な前類洞血管収縮が生じ、肝重量は減少した。 (2)アナフィラキシー肝血管反応に対するパラクリン的調節系の解明 Nitric oxide(NO)の合成阻害剤を用いた実験からNOは定流量灌流状態ではアナフィラキシー時にズリ応力依存性に前類洞血管に作用し収縮血管を拡張することが判明した。一方、一酸化炭素は肝アナフィラキシー血管反応には何ら関与しない。また、定圧灌流の実験から肝アナフィラキシィーはズリ応力非依存性にNO産生を増加させることが示唆された。さらに、そのズリ応力非依存性のNO産生は前類洞と後類洞の両血管で生じることが示唆された。 (3)肝アナフィラキシー反応の責任物質と責任細胞の解明 モルモットのアナフィラキシー肝血管収縮の化学伝達物質として前類洞収縮には血小板活性化因子が主として関与し、後類洞収縮にはロイコトリエンが関与することが示唆された。一方、ヒスタミン、セロトニン、cyclooxygenaseの代謝物の関与は少ない。また、ラットの肝アナフィラキシー反応の責任細胞の検討ではKupffer細胞の関与は無く、ほとんど肥満細胞を介するものと考えられた。 (4)アナフィラキシー低血圧における肝臓の役割の解明 肝臓のアナフィラキシーショックの血圧低下における役割を腹腔臓器への血流遮断とともに肝臓を摘除した麻酔下ラットで検討した。腹腔血流遮断・肝摘ラットではアナフィラキシーの門脈圧の上昇に一致して血圧低下が抑制され、肝臓は門脈圧亢進によってアナフィラキシーの血圧低下に関与することが示唆された。
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