研究課題
基盤研究(C)
Pkdlホモ欠損マウスでは胎児期に腎嚢胞の形成と、両大血管右室起始症DORVおよび心室中隔欠損VSDが認められる。DORVはendothelin-1(ET-1)の遺伝子欠損マウスの表現型として知られている。polycystin-1は神経堤細胞由来臓器においても発現が認められるため、polycystin-1のET-1シグナル伝達への関与を検討した。ET-1はERKを活性化する事が知られている。そこでMEFをET-1にて刺激しERKのリン酸化をgel shift assayで検討した。野生型、ヘテロ欠損型と比べて、ホモ欠損型ではほとんどリン酸化が認められなかった。またET-1以外にERKを活性化する刺激に高浸透圧刺激が知られている。先の結果がET-1特異的なものか調べるため高浸透圧刺激におけるERKの活性化を検討したところ、ET-1と同じようにホモ欠損型ではほとんどリン酸化が認められなかった。MAPKはAP-1を活性化し、c-MYCなどの遺伝子発現を調節している。胎仔心臓でのc-MYCの発現はホモ欠損マウスが野生型と比べて有意に低下していた。Pkdl遺伝子欠損マウスにおいてMAPK/ERK2の情報伝達系の異常が認められたことから、polycystin-1がMAPK/ERK2のシグナル伝達に関与していることが示唆された。ADPKD患者18例にfrom PWV/ABIを用いて、四肢血圧、足関節/上腕血圧比(ABI)、脈波伝播速度(PWV)の測定を行い、Ccr、腎容積と比較した。PWV、ABIはCcrと有意な逆相関を示した(PWV:P=0.0006、ABI:P=0.0285)。また腎容積はPWVとのみ有意に相関した(P=0.0364)。ADPKD患者におけるPWVとCcr、腎容積に相関が示されたことから、血管内比機能と腎不全の進行との関連が示唆され、分子創薬の可能性が期待された。
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