研究課題/領域番号 |
15591723
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小橋 元 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60270782)
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研究分担者 |
羽田 明 千葉大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00244541)
水上 尚典 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40102256)
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キーワード | 妊娠中毒症 / 遺伝子多型 / 生活習慣 / ストレス / エゴグラム |
研究概要 |
現在すでに協力関係にある北海道内の産科10施設で、文書を用いた十分な説明により同意の得られた妊婦(患者、正常対照者を含む)に(1)好娠前・妊娠中の生活習慣(食生活、飲酒・喫煙、運動、睡眠、休養、精神社会活動)、ストレス、ソーシャルサポート、エゴグラムなどの質問紙調査、(2)母体採血を継続して行い、妊娠中毒症との関連が推測される新たな候補遺伝子多型LPL、ALAP、PAl-1、TNF-A、GSTP1、MEHのDNAタイピングを行った。その結果、日本人においては、上記のすべての遺伝子多型は妊娠中毒症発症に関連しない可能性が示唆された。PAl-1、TNF-Aについては、従来日本人や白人において妊娠中毒症との関連が報告されているものであり、今回の結果はこれらと対立するものであるため興味深い。 また、妊婦の自己成長エゴグラムと妊娠中毒症との関連を検討したところ、「FCが低くACが高い」タイプが有意に妊娠中毒症発症と関連することが明らかになった。自己成長エゴグラムの項目は具体的であり、生き方の改善による精神的ストレス軽減を目的とした行動指導もよく用いられている。これから開始する介入研究用の「指導票」にも、自己成長エゴグラムを用いる予定で進めている。また、「妊娠中のストレスに対する調査票」は、フォーカス・グループ調査などから調査項目のリストアツプを行った段階である。現在、いくつかの方法で妥当性、信頼性の検討に入っている。 さらに、過去5年間の北海道における妊娠中毒症の病型別発症率を推測するために、札幌、旭川、函館、帯広、釧路の定点病院の分娩台帳とカルテ調査を行った。
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