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2004 年度 実績報告書

トキソプラズマ母子感染の機序の基礎的・臨床的検討

研究課題

研究課題/領域番号 15591732
研究機関東京大学

研究代表者

堤 治  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60134574)

キーワードトキソプラズマ / アビディティ / トキソプラズマIgM抗体 / 母子感染 / 先天性トキソプラズマ症 / 動物実験モデル / 経口感染 / 小腸
研究概要

(1)トキソプラズマIgG抗体のアビディティの初感染時期による推移(標準曲線)の作製
短期間にトキソプラズマ抗体の陽転が確認された妊婦、あるいはトキソプラズマ抗体が4倍以上上昇した妊婦など、感染時期が推定される症例の血清28検体につき、アビディティと測定した。r=0.91で有意な強い正の相関を示した。感染4カ月以内と推定される13検体は全例AI(avidity index)が10%未満であり、これより、AIが10%未満を4カ月以内の初感染の可能性が高い急性感染状態とした。ところが、同一血清のトキソプラズマIgM抗体を『トキソIgM-EIA「生研」』を用い測定したところ、r=0.589,p=0.004と弱い負の相関を認めた。これは、図に示感染4ヶ月以内ではIgM抗体は2.0〜10.4まで幅広く分布し、感染時期の推定が困難なことを示している。
過去にトキソプラズマ抗体を測定し陽性と診断された別の28例につき陽性持続期間とAIの関係をみた。陽性持続期間は36.3±18.4カ月(平均±標準偏差、以下同様)で、範囲は13〜84カ月であった。AIは、横這いで持続期間と相関はなく、39.1±6.9%であった。最小持続期間の13カ月の症例のAIは23.1%であり、20%以上を慢性感染状態と定義した。現時点では、症例数が十分とはいえないため、AIが10%以上、20%未満を測定保留と定義した。
(2)トキソプラズマIgM抗体陽性妊婦管理のガイドラインの作製
自験例も含め、全国からご依頼いただいたトキソプラズマIgM抗体陽性妊婦147例につき、AIを測定した。トキソプラズマIgG抗体とAIは相関を認めず、トキソプラズマIgG抗体値と感染時期に相関がないことが示された。
「プラテリアIIトキソIgM^<【○!R】>」とAIに強い相関を認めず、91.8%が慢性感染状態と診断され先天性トキソプラズマ症の可能性が非常に低いことを説明し、無用な中絶や薬剤投与、羊水診断を避けることができた。出生児も先天感染を認めなかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 感染症-最近の話題-母子感染 トキソプラズマ2004

    • 著者名/発表者名
      小島俊行, 武谷雄二
    • 雑誌名

      小児科 45(4)

      ページ: 778-786

  • [雑誌論文] 研修医のための周産期医療ABC-産科編.産科疾患の診断、治療管理周産期感染症2004

    • 著者名/発表者名
      小島俊行
    • 雑誌名

      周産期医学 34(7)

      ページ: 1039-1055

  • [雑誌論文] 2.日本産婦人科医会・研修ノートレビュー2)感染症2(2)母子感染(ウイルス1)2004

    • 著者名/発表者名
      小島俊行
    • 雑誌名

      日本産科婦人科学会雑誌 56(9)

      ページ: N535-N540

  • [図書] 今日の治療と看護2004

    • 著者名/発表者名
      児島俊行(共著)
    • 総ページ数
      1586
    • 出版者
      南江堂
  • [図書] 周産期医療研修会医師コース2004

    • 著者名/発表者名
      児島俊行(共著)
    • 総ページ数
      222
    • 出版者
      恩賜財団母子愛育会総合母子保健センター研修部

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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