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2003 年度 実績報告書

子宮内胎児発育遅延の病型と胎盤血管増殖因子発現パターンの相関に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15591738
研究機関信州大学

研究代表者

金井 誠  信州大学, 医学部附属病院, 講師 (60214425)

研究分担者 二階堂 敏雄  信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50180568)
北 直子  信州大学, 医学部附属病院, 助手 (30293484)
芦田 敬  信州大学, 医学部, 助手 (00334897)
小西 郁生  信州大学, 医学部, 教授 (90192062)
キーワード子宮内胎児発育遅延 / 血管増強因子 / 胎盤増殖因子 / 絨毛 / 胎盤
研究概要

絨毛細胞で産生され絨毛の発達や血管新生に重要とされるplacenta growth factor (PlGF)とvascular endothelial growth factor (VEGF)の発現量と子宮内胎児発育遅延(IUGR)の病型との相関性について検討した。方法は、患者の同意を得て採取した胎盤組織(妊娠24〜41週、IUGR18例、うち妊娠中毒症を伴う8例、伴わない10例、対照としての早産/正期産16例)から蛋白を抽出し、PlGF,VEGF発現量をELISA法にて定量した。また、両者の母体血清中の値も検討したところ以下の結果を示した。(1)胎盤組織中のPlGF発現量は、IUGR症例において正常群より有意に低く、IUGRの中でも、妊娠中毒症を伴うIUGR群は中毒症を伴わないIUGR群よりもさらに低値であった。(2)胎盤組織中のVEGF発現量は、正常群に比べ、中毒症を伴わないIUGR群で低値であった。(3)胎盤組織中のPlGF発現量とVEGF発現量に、逆相関関係は認められなかった。(4)血管新生因子の発現と胎児血行動態との関連では、妊娠中毒症の有無にかかわらず、PlGF発現量低値とDoppler異常との間に有意な相関が認められた。(5)3群間における母体血清中のPlGF濃度の差異は、胎盤組織中のPlGF発現量とほぼ同様の傾向があり、胎盤組織中の濃度が母体血清に反映されている可能性がある。以上の結果より、IUGRでは胎盤におけるPlGFの発現低下が認められ、特に妊娠中毒症を伴うIUGR、及びDopplerで胎児血行動態異常を認めるIUGRにおいてその発現低下が特徴的であることが示唆された。今後、症例数を増やして検証するとともに、低酸素状態や絨毛形態との関連性も検討して、PlGFのIUGRに対する関与を解明していく予定である。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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