研究課題/領域番号 |
15591748
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
佐々木 順造 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30093686)
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研究分担者 |
野村 貴子 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20116437)
山田 輝夫 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00033225)
小阪 淳 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40243216)
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キーワード | 内分泌攪乱物質 / フタル酸エステル / DNAアレイ / in situハイブリダイゼーション / 精巣 / ラット / 標的物質 / 定量化 |
研究概要 |
内分泌撹乱物質は、それぞれの物質は低濃度ながら、非常に多くの物質が環境中に存在している。プラスチックの可塑剤であるフタル酸エステルDi(2-ethylhexyl)phthalate(DEHP)を35日令のウィスター系ラットに単独で経口投与したラットでは、投与6-9時間後に精細管に変性した精母細胞、多核精子細胞が増加するのが観察され、同時にTUNEL染色陽性細胞が検出され、生殖細胞のアポトーシスが誘起されていることが示されている。 DEHPを投与したラットの精巣のmRNAより^<32>P標識したcDNAを合成し、DNAアレイを用いて、その遺伝子パターンを解析しDEHP投与直後から24時間後までの変化を調べた結果、testis lipid-binding protein(TLBP)など、数種の遺伝子の発現が著明に減少していることが判明した。cDNAアレイの結果を十分解析するために、精巣切片でのISH解析による遺伝子の発現の定量化を、TLBP mRNAを用いて試みた。ISH発現シグナル強度をPhotoshopのボスタリゼーション機能により5段階に評価し数個の精細管の平均値をとることにより数値化が可能となった。TLBP mRNAは精母細胞の複糸期前後で最大の発現を示した。また、蛍光による検出系を用いることにより同様の定量化に成功した。現在、スライドグラス基板上に既知濃度のヌクレオチドスポットを配列接着させ、これらのシグナル強度を元に切片上のmRNAの絶対的濃度を定量できるスライドグラスを特許出願中であり、内分泌攪乱物質による発現物質の変化を切片上で定量する事を試みている。
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