研究課題
基盤研究(C)
近年、DNAマイクロアレイなどの手法により、遺伝子発現の差を明確に出来るようになると、サンプル間における遺伝子発現の差が議論されるようになり、定量RT-PCR解析等による定量化実験が盛んに行われている。しかし、組織切片上で、形態的情報と同時に転写産物や蛋白質を定量化することは、必ずしも容易ではない。一方、精子形成過程は、多数の精子形成細胞が同調して同時に進行する過程であり、分化した同時期の精子形成細胞は、集積して存在し、しばしばステージ特異的な遺伝子発現を示すため、精巣は定量化実験のための最適の臓器である。そこで、in situハイブリダイゼーション(ISH)解析による遺伝子の発現を数値化し様々な遺伝子の発現の増減、精細管内の各細胞での発現強度の差をより明確にすることを目的に、ribosomal RNA (rRNA)を用いる実験モデルにより、精巣内遺伝子発現の定量化を試みた。蛍光法を用いたISH法により、細胞間の発現量の差を、きわめて明確に可視化出来た。毒性評価に応用可能なこの定量化技術を、「基板、及び標的物質の定量方法」として岡山大学より特許出願することが出来た(平成16年12月13日、特願2004-360631)。また、病態については、プラスチックの可塑剤であるフタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)を35日令のウィスター系ラットに経口投与し、投与直後から24時間後までの精巣の組織の変化を形態学的、免疫組織化学的、生化学的に検索し、投与6-9時間後から、精子形成細胞のアポトーシスが誘起されることが示唆された。これはDEHPの代謝産物であるモノエステル(MEHP)がチトクロームCを著明に遊離させることによることが判明した。
すべて 2005 2004 2003
すべて 雑誌論文 (8件) 図書 (4件) 産業財産権 (1件)
J Bioscience Bioengineering 99(2)
ページ: 95-103
J Bioscience Bioengineering Vol.99(2)
J Histochem Cytochem 52(6)
ページ: 813-820
J Histochemistry and Cytochemistry Vol.52(6)
Acta Med Okayama 57(1)
ページ: 1-12
Comp Biochem Physiol part B 136
ページ: 473-483
Acta Meddica Okayama Vol.57(1)
Comp Biochem Physiol part B Vol.135