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2003 年度 実績報告書

カルポニン遺伝子導入による卵巣癌腹膜播種の遺伝子治療に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15591757
研究機関九州大学

研究代表者

小林 裕明  九州大学, 大学病院, 助手 (70260700)

研究分担者 加藤 聖子  九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (10253527)
平川 俊夫  九州大学, 大学病院, 講師 (20218770)
福嶋 恒太郎  九州大学, 大学病院, 助手 (40304779)
谷口 俊一郎  信州大学, 医学部付属加齢適応センター, 教授 (60117166)
和氣 徳夫  九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50158606)
キーワードカルポニン / アクチン / 癌性腹膜炎 / 卵巣癌 / 遺伝子治療
研究概要

アクチン結合蛋白であるカルポニンh1(CNh1)は癌細胞の増殖・浸潤を抑制するばかりでなく、宿主腹膜中皮の癌浸潤に対するバリアーとしての機能を高める作用も有すると考えられる。よってCNh1ベクターを卵巣癌による癌性腹膜炎患者の腹腔内に投与し卵巣癌細胞と同時に腹膜中皮にも遺伝子導入できれば、癌腫側と宿主側の両面より治療効果を期待できる新しい概念の遺伝子治療となり、卵巣癌の治療成績を頭打ちさせている大きな要因である癌性腹膜炎に対し有効な治療法となる可能性がある。そこで本年度はCNh1を腹膜中皮細胞と卵巣癌細胞とに遺伝子導入し、その治療効果を検討した。
腹膜中皮細胞株あるいはヒト卵巣癌細胞株にアデノウイルスベクターを用いてCNh1を遺伝子導入すると、1、いずれにも外来性CNh1の局在に一致したアクチンファイバーの形成が確認され、(1)腹膜中皮細胞層は卵巣癌の培養上清存在下でも細胞間の開裂が生じにくくなり、重層培養法にて卵巣癌細胞の浸潤を有意に抑制した。(2)卵巣癌細胞の増殖能(コロニー形成率および腫瘍増殖能)は低下し、運動能(トランスウェルチェンバーを用いたmotility assay)の抑制を伴う浸潤能の低下(マトリゲルコーティングポアフィルターを用いたin vitro invasion assayおよび重層培養法)を認めた。
2、両細胞に同時に遺伝子導入した場合の癌細胞による中皮細胞層への浸潤抑制効果は相加的に増強した。
以上よりアクチンを調節・制御するCNh1を標的とした卵巣癌腹膜播種に対する遺伝子治療は、腹膜中皮を介しての癌細胞浸潤抑制効果と卵巣癌自身に対する抗腫瘍効果(抗浸潤・抗増殖)の両面からの治療効果が期待された。来年度は動物実験にて卵巣癌腹膜播種に対するCNh1遺伝子治療の効果を確認する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sonoda T, Kobayashi H, et al.: "Expression of angiogenesis factors in monolayer culture, multicellular spheroid and in vivo transplanted tumor by human ovarian cancer cell lines"Cancer Letters. 196. 229-237 (2003)

  • [文献書誌] Okugawa k, Kobayashi H, et al.: "In vivo-establishment and characterization of paclitaxel-resistant human ovarian cancer cell line that shows enhanced growth property and drug resistance only in vivo"Journal of Cancer Research and Clinical Oncology. 130(in press). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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