• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

PTEN遺伝子改変マウスの子宮内膜における内分泌攪乱物質の発癌への影響

研究課題

研究課題/領域番号 15591764
研究機関熊本大学

研究代表者

田代 浩徳  熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (70304996)

研究分担者 片渕 秀隆  熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (90224451)
キーワード子宮内膜癌 / マウス / Diethylstilbestrol / Genistein / Estriol / 子宮内膜増殖症 / PTEN / PTEN遺伝子改変マウス
研究概要

[目的]CD-1マウスの新生仔期にdiethylstilbestrol(D)ならびにgenistein(G)の投与を行うと30%以上に子宮内膜癌(EA)が発生することが報告されている.今回,ヒトEAで変異が多くみられるPTEN遺伝子を改変したmPTEV+/-マウス(mPTEN)を用いて,新生仔期のE投与の影響を検討した.
[方法]mPTENと野生型(C57BL/6J)との交配による新生仔に,出生日より5日間連日で皮下にD(1μg/kg/day)(D群),G(50mg/kg/day)(G群),estriol(4mg/kg/day)(E3群)を,また,対照(C群)としてvehicleのみを,野生型と変異型の各群が8匹になるまで投与を行った.投与開始日より12ヶ月後に子宮を摘出し,双角子宮の片側を形態学的観察に,他側をreal time PCR法による種々の遺伝子発現解析に用いた.
[成績]野生型ではEAや子宮内膜異型増殖症(CAH)は全群に観察されなかった.変異型におけるEAの頻度は、C群37.5%,D群0%,G群12.5%,E3群0%で、CAHの頻度は、C群75%,D群50%,G群37.5%,E3群25%で,片側子宮の平均異型腺管数はC群21.5±6.1,D群0.8±0.4,G群3.4±2.0,E3群0.3±0.2であった.また,内膜間質の硝子化がD群とG群に,萎縮がE3群に観察された.Epithelial-mesenchymal interactionに関連するTGF-β1と内膜間質形成に関与するHoxa 11の発現の検討では,C群と比較し,D群,G群,E3群でいずれも発現減弱が認められた.
[結論]CD-1マウスによる先の報告とは逆に,mPTENではEAの発生の抑制がみられ,同時に内膜間質の硝子化や萎縮が観察され,さらにTGF-β1の発現減弱がみられた.TGF-βfamilyを介した間質による上皮の増殖調節機構が最近注目されており,今回の結果もこの調節機構の変化による可能性が考えられた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004 2003

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] ワークショップ4分子生物学で婦人科腫瘍はどこまでわかったか? (II)臓器別腫瘍 2.子宮体癌の組織分類からみた遺伝子異常の解析2004

    • 著者名/発表者名
      田代浩徳, 片渕秀隆, 岡村 均
    • 雑誌名

      日本婦人科腫瘍学会雑誌 22

      ページ: 97-103

  • [雑誌論文] Roles of luteinizing hormone/chorionic gonadotropin receptor in anchorage-dependent and -independent growth in human ovarian surface epithelial cell lines.2003

    • 著者名/発表者名
      Tashiro H, Katabuchi H, et al.
    • 雑誌名

      Cancer Science 94

      ページ: 953-959

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi